縁起物茶碗をコラボ製作

愛の浜園の焼成窯が新調され、初窯の作品を大島高校書道部員らとコラボ製作した=提供写真=

書道部員らが「左馬」を筆入れした=提供写真=

大高書道部、「左馬」筆入れ
愛の浜園、焼成窯新調

 障がい者支援施設・愛の浜園(榮野和光園長)=奄美市名瀬知名瀬=で、日ごろの製作活動に使われていた窯がこのほど新調された。縁起物とされる初窯で焼き上げた茶碗が25日、仕上げ作業で完成。作品には、同じく縁起が良いとされる「左馬」の文字が入っている。大島高校書道部部員が筆入れしたもので、関係者は縁起の良い作品完成を喜んでいる。

 同園では、1984年から、障がい者の生産活動の一環として、陶芸が行われており、
同園で生産された作品は、県美展(ハートフルの部)での受賞やバザー、イベント等でも販売され、島内外で高い評価を受けている。

 窯は1月に新調。今月上旬には、職員や入所者らが碗飯を作成。その後、同校書道部の23人が1点1点に「馬」の字を左右逆文字で筆入れした。また、絵や字を自由に記した作品もそれぞれ1点ずつ製作した。

 逆に表記された「馬」の文字は、左馬・逆さ馬と呼ばれ、左側から馬に乗れば倒れないとの言い伝えから、「人生を大過なく過ごせ福を招く」など縁起が良いとされる。

 陶芸家などが初めて火を入れて焼成する窯で焼いた作品は、初窯と呼ばれ、こちらも縁起物とされるが、焼き上がった茶碗に、25日、同部員らがやすりがけ作業を施し、作品が仕上がった。福を招くよう、同施設にゆかりある人たちに寄贈する予定だという。

 今回の製作にあたって、同園の榮野園長は「書道部のみなさん、顧問に深く感謝。陶芸を通し、多くの人に同園のことを知っていただく機会になれば。今回コラボできたことはうれしい」などとコメント。

 同校書道部の且琴音さん(1年)は「普段、半紙などに字を書くが、お茶碗に字や画を描くのは初めてで良い経験になった。またやってみたい」などと話した。