世界自然遺産学習「あまぎ学」スタート

世界自然遺産学習「あまぎ学」で、クロウサギの生息エリアを見学する子どもたち=13日、天城町当部

徳之島の価値知って
天城町

 【徳之島】児童生徒ら対象にした今年度新規事業、天城町世界自然遺産学習「あまぎ学」(町主催)の一環のフィールドワークが13日あった。子どもたちはアマミノクロウサギの観察小屋のある同町当部「南部ダム」敷地(奄美群島国立公園第2種特別地域エリア)も探索。その動画と生息のあかしのふんも確認するなど大自然にふれ、感動を共有した。

 世界自然遺産や自然環境に関するプログラムを体系的に学習して、徳之島・天城町の世界的な価値に理解を深め、郷土に対する誇りを―などを目的にした同町企画課、教育委員会による連携事業。対象は、町内全校の小学5年と中学2年生。総合的な学習の時間など年間10時間(コマ)を予定。講師は、環境省レンジャーや町自然保護専門員、自然遺産担当、学芸員らが務める。

 初のフィールドワーク対象となったのは天城小と兼久小の5年生計25人。今月6日と8日にはそれぞれ、スライド「世界自然遺産ってなに?」、「徳之島の自然環境・遺産アニメ」、「世界自然遺産とは―特別な徳之島の自然」「自然遺産登録に向けた取り組み」など自然学習も行った。

 この日のコースは、希少野生動物の生息域に侵入したノネコを収容・順化させ、新しい飼い主に渡す「ニャンダーランド」(同町天城)、当部のクロウサギ観察小屋と日本一大きなドングリがなるオキナワウラジロガシの大木―の順に見学した。

 観察小屋では、前夜に暗視カメラが記録していた3匹のクロウサギの姿に感動。カメラ設置地点でフンなども確認した。一方では、固有種オビトカゲモドキ1匹の死骸も確認された。

 児童の1人・須川那桜(なお)さん(天城小5年)は「クロウサギが食べる草も豊富で、親子が安心して暮らせていると思う。この自慢の大自然をごみなどで汚さないよう、大切に見守っていきたい」と話していた。

 町側は今後、各校と臨機応変に調整を図り、島の歴史文化面も網羅した形の「あまぎ学」を推進する方針だ。