殺人断定し、捜査本部設置

殺人断定し、捜査本部設置

事件現場となった住宅では捜査が行われ、ブルーシートで覆われた(18日午後、奄美市名瀬小俣町)

奄美市高齢女性死亡 腹部などに複数の刺し傷
奄美署・県警捜査一課

 16日夜、奄美市名瀬小俣町の住宅で、80歳代の女性が死亡した状態で発見された事件で、奄美署と県警捜査一課は18日、司法解剖を行い、死因が腹部などの複数の刺し傷による出血性ショックの疑いとみられると発表した。同署と同課は殺人事件と断定し、18日午後5時45分に80人体制の捜査本部を設置した。また、女性が同住宅に住んでいた無職・瀧田得枝さん(87)だと特定された。

 同署などによると、16日午後8時半ごろ、瀧田さんの親族から「母親が血を流して倒れている」と、消防に119番通報があり、同署に連絡が入った。消防隊員が駆け付けたところ瀧田さんはすでに死亡しており、搬送はしなかった。18日も▽奄美署▽県警捜査一課▽県警鑑識課▽瀬戸内署―の65人体制で聞き込みなどの捜査を続行。同日午後からは司法解剖を実施。死因・死亡推定時刻などが判明し、殺人と断定するに至った。

 捜査本部の発表によると、死亡推定時刻は13日夕方から15日ごろまでの間。腹部など数カ所に刺し傷があり、鋭利な刃物のようなものが凶器として使われた可能性が高いとみられるが、凶器は発見されていない。着衣の乱れや、縛られた跡などはなく、近隣とのトラブルや住宅から盗まれたものがあるかなどは確認できていない。

 捜査本部長の有馬晋作警視正は「凶悪卑劣な犯罪。1日も早く犯人を検挙し、全容を解明するよう組織を挙げて強力に捜査を推進する」と語った。同本部は19日も現場検証や聞き込みなどを継続し、不審人物等の割り出しを進めるという。

 現場は奄美小学校、県立大島高校・奄美高校が近隣にある市街地。奄美小学校では学校側からの指示で児童らが集団登下校を実施。保護者らに付き添いの依頼もあったという。