全面禁煙も議会対象外

全面禁煙も議会対象外

改正健康増進法施行後も喫煙可能な市議会の休憩所

改正健康増進法施行・奄美市役所
5階屋外と議会休憩室喫煙可能

受動喫煙対策を強化する改正健康増進法の施行が1日から始まり、学校や病院、行政機関の庁舎などが原則禁煙となった。奄美市役所も、これまで市職員らが喫煙場所として利用していた5階の屋外スペースでの喫煙ができなくなったが、市は4階にある別の屋外スペースを新たな喫煙スペースに指定。また、同じ庁舎にある7階の議場など市議会エリアは、今回の規制の対象外となっており、同法施行後も、「休憩室」での喫煙が可能で、市役所の実質的な全面禁煙措置には至っていない。

同法は、来年4月からの全面施行を前に、学校、病院、行政庁舎などを「第1種施設」に指定、敷地内を禁煙にしている。喫煙には、受動喫煙を防ぐ措置が取られた屋外での喫煙所設置が必要で、市役所に新たに設置された4階屋外スペースがこれに該当する。

庁舎を管理する市財政課によると、従来喫煙スペースとして利用していた5階の屋外スペースは、壁や屋根などがあるため、屋外と認められなかった。一方、4階部分は屋根や壁などもなく「屋外にあたり、受動喫煙に必要な措置もとられている」という。

同法では7月以降、行政庁舎を原則禁煙とする一方、国会や地方議会などの建物は規制から外され、来年3月末まで現状のまま喫煙が可能となっている。また、行政エリアと議会エリアが同じ庁舎内にある場合は、機能が明確に区分されていれば、議会部分のみ規制の対象外になるという。

市役所7階は、議場や議会事務局、市議会各会派の控室、委員会室などすべて議会関係で占められているため、同課は「行政機関と機能が明確に区分されている」とし、来年4月に同法が全面施行されるまで、喫煙が認められることになった。

2月に供用開始された新庁舎は、同法施行以前から喫煙が認められた屋内スペース(5階屋外スペースを屋外とした場合)は、市議会の休憩室のみだった。議員の1人は「法律で認められたことで、違法ではない」としているが、同市の男性(45)は「議会だけ禁煙スペースが設けられていることすら知らなかった。庁舎内を全面禁煙にするなら、議会も同様に禁煙にすべきでは」と指摘した。