市内4中学校がメモリアル大会

3年生らは最後の大会に悔いが残らないよう、気迫十分に戦い抜いた

3年間の成果、剣先に乗せ
「悔いのない戦いできた」

 新型コロナウイルスの影響で中止となった大島地区中学校総合体育大会に代わるメモリアルマッチ「奄美市中学生剣道選手権大会」(同実行委員会主催)が12日、同市名瀬の伊津部小学校体育館であった。市内4校から3年生3人を含む12人が出場。3年生部員らは、悔いが残らないように3年間の成果を剣先に乗せて、中学生最後の試合を戦った。

 区切りを迎えた3年生部員は、豊田穂乃華(金久)、浦田悟志(朝日)、船戸一樹(大川)の3人で、試合は、1・2年生に名瀬を加えた4校12人がリンク予選と決勝トーナメントで対戦。県剣道連盟奄美支部・野崎浩一支部長はあいさつで「保護者や顧問などにお礼の意味を込め、持てる力を発揮してほしい」と激励した。

 3年生部員らが順当に駒を進めた決勝トーナメント1回戦では、豊田と浦田がいきなり激突。うだるような暑さの室内も、互いに気迫を張り上げて一歩も譲らず、戦いは10分を超える異例の長期戦に。最後は、豊田が浦田の見せた一瞬の隙を見逃さず、コテを奪った。

 豊田は決勝戦に駒を進めたが、2年生の岡龍希(朝日)に疲れの見えた後半にコテを奪われ惜しくも有終の美はならず。豊田は高校進学後は学業に専念するためこの日を最後に剣を置く。

 「伯父に憧れ小学2年生から始めた剣道。あきらめない気持ちや強い心、体力や身体面など多くのことが身につき、いい経験になったと豊田。親や先生たちに感謝したい」と8年間を振り返り、「優勝はしたかったが悔いはない。今後は看護師という夢に向かって頑張りたい」と前を向いた。

 試合後は、3年生が最後のあいさつ。船戸は「悔いのない戦いはできた。大会ができたことに感謝したい」と保護者や大会委員らに謝意。浦田は「負けたのは少し悔しいがいつか花咲く日まであきらめず頑張りたい」と述べ、3人らは後輩らに「これからも魂を引き継いで頑張ってほしい」などエールを送った。

 金久中剣道部の鮫島沙織顧問も「最後の大会ができたことは高校生に向けての励みにもなる。関係者みんなに感謝したい」と話した。