ワクチン予診票記入で高齢者サポート

予診票記入のサポートをすると発表した奄美薬剤師会の岡村芳和会長=奄美市名瀬・ひまわり薬局=

奄美薬剤師会、相談窓口
全国に「奄美モデル」普及期待

5月3日から奄美ワクチンセンター(奄美文化センター)で新型コロナウイルスワクチンの高齢者への優先接種が始まることをうけ、奄美薬剤師会(岡村芳和会長)は、奄美市内のかかりつけ薬局をワクチン接種相談窓口と位置づけ、予診票記入のサポートや各種相談を受け付けることを決定した。現場にいる医師や看護師、行政の支援を行うことが目的。17日には多くの高齢者が予診票をもってひまわり薬局を訪れ、記入方法やワクチン接種に関する不明点を岡村会長に尋ねる様子が見られた。

岡村会長(61)は、予診票は当日その場で記入できるものではなく、一人暮らしの高齢者の中にはハードルが高いと感じる人がいると指摘。接種当日は30分で10人にワクチンを接種する予定だが、予診票の記入が不完全だと当日の接種に遅れが生じる恐れがあると岡村会長は危惧している。7日、会長は奄美市役所と研修会を行い、市と同会が協力してワクチン接種に臨むことが示された。

17日にひまわり薬局に予診票の記入相談に来ていた奄美市名瀬在住の今門トヨ子さん(79)は「目が悪いので(予診票は)文字が小さくて見えづらく、(記入枠が)狭いから不安だった。相談できて本当に心強い」と安堵の表情を見せた。他にも、「ワクチンの接種会場がどこか分からない」「申し込みの電話で何を話したらいいのか」等相談を持ち掛ける人々の姿が多く見られ、薬局の職員や岡村会長は一つひとつの質問に親身になって答えていた。

「接種案内のチラシを見ても、細かい文字でたくさんの情報が書かれているので分からなくなってしまう方がいる」と岡村会長。「どんな小さなことでもいいので、気軽にかかりつけ薬局に相談しに来てほしい」と呼び掛けた。

また、「この取り組みが『奄美モデル』として全国に広まれば、医療従事者や行政の負担が大幅に減る。どんどん発信していきたい」と、更なる支援への意気込みを語った。

奄美市では今週から65歳以上の高齢者を対象に接種券と予診票の配布が始まっている。