サンゴ研無料ウェブ図鑑を公開

フルカラーの無料図鑑

図鑑でのぞく海中の楽園
オンライン講義で活用も

 喜界町の喜界島サンゴ礁研究所(渡邊剛理事長、山崎敦子所長)はこのほど、無料で誰でも利用できるサンゴのウェブ図鑑を公開した。喜界島周辺に生息するサンゴ130種を掲載している。8日に開催されたオンライン科学イベントではこの図鑑が教材として登場し、国内外からの参加者がサンゴについて学んだ。

 この図鑑は、同研究所が推進する「喜界島サンゴ図鑑100年プロジェクト」の起点となるもの。同プロジェクトでは、喜界島周辺のサンゴ礁の歴史を100年間記録していく。

 図鑑作成に当たっては、鹿児島大学国際島嶼教育研究センター(奄美分室)の藤井琢磨特任助教、国立環境研究所生物・生態系環境研究センターの北野裕子特別研究員、沖縄工業高等専門学校物資源工学科の磯村尚子准教授、宮崎大学農学部海洋生物環境学科の深見裕伸教授らの研究グループが、2月の約1週間、喜界島の様々な場所を潜水調査。14科48属130種のサンゴについてまとめた。

 同研究所の駒越太郎研究員によると、図鑑のポイントは▽専門用語を用いつつも、子どもにも理解しやすいよう親しみやすく書かれている点▽同研究所所蔵のサンゴの骨格標本を多数掲載し、学術的にも優れた価値がある点―だという。

 同研究所は8月8日~10日、オンライン科学イベント「KIKAIカレッジ?オープンラボウィーク?」を開催。国内外から、小学生~大人までの122人が参加した。

 8日のプログラムではこの図鑑が教材として登場。画像で示されたサンゴの種名を、図鑑で調べて当てるクイズが行われた。駒越研究員によると、子どもたちは目を輝かせて真剣に問題に取り組んでいたという。

 図鑑は同研究所のホームページからダウンロードできる。