日本サンゴ礁学会奨励賞を受賞

受賞を喜ぶ藤井琢磨特任助教(提供写真)

「底生生物の多様性解明」高く評価
鹿大島嶼研・藤井特任助教

 一般社団法人日本サンゴ礁学会(山野博哉会長)は23日、鹿児島大学国際島嶼教育研究センター奄美分室の藤井琢磨特任助教(33)=理学博士=に「川口奨励賞」を贈呈、表彰した。表彰状には「琉球列島におけるスナギンチャク目等底生生物の多様性解明を高く評価し、川口奨励賞を贈呈する」との内容が記されている。藤井特任助教によると、オンライン大会として開催された「日本サンゴ礁学会第23回大会」会期中の同日、表彰状授与が紹介された。

 「川口奨励賞」は、日本サンゴ礁学会の若手奨励賞に位置付けられる賞だという。

 鹿大国際島嶼教育研究センター奄美分室によると、藤井特任助教は、これまで奄美群島を中心とした琉球列島を主な対象として、スナギンチャク目やイシサンゴ目、さらには魚類や甲殻類など、多岐にわたる分類群の多様性に関する研究発表を行ってきた。また、調査研究に伴い、共同研究者や地元識者らとのネットワークを構築し、講演や地元メディアを通して研究成果の地域還元も積極的に行ってきた。

 藤井助教は「受賞は非常に光栄。世界的に類稀な生物多様性を有するとされる琉球列島においても、特に鹿児島県沿岸域においては、いまだ、分類や生物地理など基礎的な研究が足りていないこと、またスナギンチャク類のような非水産重要生物、非モデル生物における基礎知見の収集の重要性が認められたと理解している」「奄美群島をはじめ、調査地における地元の方々や共同研究者の多大なる協力がなければ、賞を頂くに値する成果も挙げてこれなかったと思う。非常に感謝している。今後も琉球列島における海洋生物多様性の潜在的価値、魅力を解き明かし、地域とも共有していければと思う」と述べ、受賞を喜んだ。