市民広場と立体駐車場 新型コロナで工事遅れ

新型コロナの影響で工事が遅れている市民広場と立体駐車場の工事現場

供用開始は4カ月遅れの来年7月
市民交流センターも工期延長
奄美市

 奄美市は15日、同市名瀬幸町の旧市役所庁舎跡地に整備予定の「市民広場と立体駐車場」について、新型コロナウイルスの影響などによる工期の遅れから予定より4カ月遅れの来年7月の供用開始を見込んでいることを明らかにした。また、同市名瀬柳町の旧名瀬保健所跡地に整備を進めている「市民交流センター」についても、台風10号による資材搬入の遅れなどから工期を4カ月間延長するものの、外構工事の短縮などを行うことで、当初予定の来年10月の供用開始については、変更しない方針を示した。同日にあった市議会全員協議会で市側が工期延長について説明した。

 市民広場と立体駐車場は、旧庁舎と名瀬公民館跡地約2300平方㍍に、ウッドデッキなどの広場(約1350平方㍍)と4階建て5層の立体駐車場(延べ床面積約2650平方㍍)を整備するもの。

 今年3月に大手ゼネコンと地元企業による特定建設JVと本契約を行い、来年1月までの10カ月の工期を計画していたが、新型コロナの拡大により4月~5月にかけ島外からの技術者などが来島できなかったことや、立体駐車場の建築資材の制作などにも遅れが生じるなどしたため、工期の遅れが生じており、来年1月の完了が困難となった。

 市は工期を4カ月間延長、来年5月末の完成を目指すことにしており、今後、業者側と工期延長のための計画変更契約を結ぶことにしている。

 市民交流センターは名瀬公民館の代替施設として、旧名瀬保健所跡地約3100平方㍍に、鉄筋コンクリート3階建て(延べ床面積約2900平方㍍)を整備するもの。1、2階には客席350席(2階席100席)の多目的ホールなどを整備、3階は多目的室や工芸室など生涯学習施設を整備する。

 市民広場同様、今年3月に特定建設JVと本契約を締結。来年3月までの12カ月の工期を計画していたが、台風10号により建築資材の搬入が遅れるなどしたため、工期の遅れが生じている。

 市は本体工事の工期を来年7月末まで4カ月延長する一方、4月~9月の6カ月で予定していた建物周辺の外構整備について、工期を2カ月短縮し6月~9月末の4カ月で実施することで、予定通り10月の供用開始を目指すことにしている。

 両施設については、工事を請け負う業者を選定する際も、2回に渡り入札が不調に終わるなどしたため、当初の完成時期が大幅に遅れており、今回の工期延長により、市民広場は当初完成予定が1年以上ずれ込む結果となった。