徳之島地域「赤土新ばれいしょ・春一番」出発式

価格安定に期待し「1万㌧、20億円突破達成」を誓った赤土新ばれいしょ「春一番」の出発式=30日、徳之島町

「借りを返す年に」 生育遅延・小玉傾向も価格期待

 【徳之島】2021年産「徳之島地域赤土新ばれいしょ『春一番』出発式」(同春一番連絡協議会、JAあまみ徳之島・天城両事業本部主催)は30日、徳之島町亀津の同JA徳之島事業本部ホールであった。記録的な日照不足などで小玉傾向にあり、収穫も大幅に遅れているが、販売環境は「これまでの借りを返す年」(市場関係者)と明るい。高品質・安定出荷による「1万㌧、20億円突破」を誓い合った。

 新型コロナウイルス対策のため出席者は3町の生産者代表や関係機関・団体代表など例年の約3割約100人に限定。本土主要消費地の青果市場関係者は東京、名古屋地区代表の2社のみがリモートで参加した。

 同JA徳之島事業本部の平山正也統括理事は「徳之島の温暖な気候と赤土で育て〝春を呼ぶ商材〟として消費者に喜ばれている。産地の課題は北風や病害、選果場対策(統合新設)。『奄美ばれいしょ』統一も必要」と要請。「春一番」連絡協の満宏樹会長も「今後も栽培管理を徹底して単収を上げて(共販)1万㌧を目指そう」とアピールした。

 県徳之島事務所の瀬戸口寛所長が「かごしまの農林水産物認証(K-GAP)」を伝達。高岡秀規徳之島町長の祝辞や金子万寿夫衆院議員メッセージに続き、JA県経済連野菜振興課の横峯俊幸アドバイザーが情勢報告。リモート参加の青果市場代表の2社が決意表明した。

 県経済連の横峯アドバイザーは「北海道産の年明け出荷量が平年より大幅に減少。長崎県産もやや減少傾向。本県は商系(JA系統外)を含め種子不足で生産減に。コロナにより業務筋の動きは鈍いが、巣ごもりの家庭内需要により、本県産への引き合いは強まり、今後も安定した相場展開が予想される」と、明るい価格見通しを示した。

 青果市場の各担当者らも「販売環境はかなり良くなっている。今年は、今までの借り(価格低迷分)を取り返せる年だと思う」ときっぱり。その上で、価格の安定維持のためにも生産地では「高品質・安定出荷が重要」と要請した。

 共販計画は▽徳之島事業本部(徳之島・伊仙両町)281㌶(前期比45㌶減)、5066㌧(1329㌧増)▽天城同180㌶(15㌶減)、3575㌧(988㌧増)。計461㌶(60㌶減)、8641㌧(2317㌧増)を掲げている。

 生産者や関係機関・団体の代表らでテープカットを行い、共販計画を上回る「出荷量1万㌧、販売額20億円の突破」や「ブランド産地としての誇りを持ち、消費者に信頼されるばれいしょ産地に」などを目指し「がんばろう」三唱で決意を示した。

 各選果場の本格稼働は例年より約半月遅れ、2月10日ごろを見込んでいる。