徳之島世界遺産センター管理運営で協定

徳之島世界遺産センター管理運営の協定書を手にする(左から)大久保伊仙町長、環境省・北橋所長、高岡徳之島町長、森田天城町長=17日、徳之島町役場 

12月にオープン予定の徳之島世界遺産センター(円内はロゴ看板)=17日、徳之島町花徳

環境省と協議会
寛ぎの「リビングミュージアム」

 【徳之島】環境省が12月にオープンする予定の「徳之島世界遺産センター」(徳之島町花徳)の管理運営に関する協定書の締結式が17日、同省と同遺産センター管理運営協議会(会長・高岡秀規徳之島町長)間であった。生物多様性など自然の魅力を伝え、寛(くつろ)ぎの場をも提供する「徳之島リビングミュージアム」の管理運営の役割分担などを協定。国内外への発信、島民にも親しまれる拠点化に期待し合った。

 徳之島世界遺産センターは、世界自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」に関する情報提供・普及啓発、徳之島の自然体験フィールドなどに関する案内・誘導など拠点づくりを目的に昨年6月に着工。敷地面積1320平方㍍、施設本体は木造平屋延べ床面積449・8平方㍍。コンセプトは新たな居場所(リビング)として寛ぎながら自然の魅力を伝える「リビングミュージアム」。本体はほぼ完成し、展示物を制作中。12月22日にオープン予定という。

 管理運営は、同省奄美群島国立公園管理所長や徳之島3町長、県奄美世界自然遺産室長ら5氏で構成・設置した同センター管理運営協で推進。協定書には、施設の維持管理に必要な経費や更新・改変・修繕などは同省が負担し、管理業務にかかる人件費などは3町など同協議会が負担することなどを盛り込んでいる。

 協定書締結式は徳之島町役場で開かれ、北橋義明・同省沖縄奄美自然環境事務所長、同協議会の高岡会長や森田弘光天城町長、大久保明伊仙町長を含め関係者約20人が出席した。

 北橋所長はあいさつで「世界自然遺産に登録された徳之島の素晴らしい自然環境、生物多様性の大切さなどの情報を広く発信。世界中からの観光客のみならず、島民の皆様にも親しんでいただきたいと『徳之島リビングミュージアム』とした。この島に誇りを持ち、島の将来を担う子どもたちの環境学習にも役立つ施設として、関係機関が一体となって活用し、徳之島の価値や魅力の発信したい」と期待した。

 地元3町長はあいさつで「先祖が伝えた自然遺産を後世に伝える責務があり、ふるさとへの誇りにもつながる」(高岡徳之島町長)、「徳之島には自然環境に特化した展示施設がなかったが、大変貴重な学びの場にもなる」(森田天城町長)、「自然遺産の屋久島、奄美・徳之島、沖縄県が連携した学びの場に。島民や出身者たちの誇りにもなる」(大久保伊仙町長)と感謝と期待を込めた。

 記者会見で職員体制の質問に、同省は3町が職員1人ずつ3人を派遣するほかに「2人を全国公募する」と答えた。希少動物の「飼育展示の可能性」には「法律的には可能だがハードルは高い」とし、隣接設置の「道の駅・とくのしま」との連携について高岡徳之島町長は「必ず観光ルートになる。相乗効果が得られるよう努力したい」と述べた。