徳之島世界自然遺産推進協

基金運用で適正管理へ事業計画などを承認した徳之島世界自然遺産推進協議会総会=12日、天城町役場

 

 

エコツーガイド育成継続
クロウサギ防護ネット設置も
自然遺産Prツール製作へ

 

 【徳之島】徳之島世界自然遺産推進協議会(会長・森田弘光天城町長)の2024年度総会が12日、同町役場で開かれ、全議案を承認した。同会設立・基金運用2年目となる24年度事業計画には、エコツアーガイド人材育成研修の継続やアマミノクロウサギ交通事故防護ネットの設置、自然遺産プロモーション(Pr)ツールの製作などを掲げた。

 同協議会は昨年5月に地元3町長をはじめ環境省、県、自然保護団体代表など関係機関・団体で設立。イオン環境財団が同年7月に寄付した「ユイの島徳之島世界自然遺産基金」(1千万円)も活用し、自然遺産の適正な管理、同資源の保全・利活用による持続的振興などを目的に事業に乗り出して2年目となる。

 総会には構成団体代表や幹事会など約25人(オンライン含む)が参加。森田会長は「徳之島の自然遺産の価値を保全・活用するには、島が一つになって取り組むことが必要不可欠」と改めて要請した。

 23年度活動実績ではイオン環境財団からの寄付金贈呈式、エコツアーガイド人材育成研修(基礎講習、33人受講・28人修了)など報告。財源は、3町及び奄美群島広域事務組合負担金、同基金繰り入れなど計134万3千円(決算額)を充てた。

 24年度事業計画では、クロウサギ防護ネット設置は徳之島町母間地内の交通事故多発地点を予定。ほか、公式ウェブサイトの更新、エコツーリズム推進事業(群島成長戦略推進交付金活用)による同人材育成(基礎講習・実践講習)、自然遺産Prの製作、自然観察マナーブックの製作も計画。質疑では、Prによる普及・啓発の相手や内容の具体化を求める要望もあった。

 同協議会構成員と幹事会に「世界遺産センター管理運営協議会」の会長及び事務局長の追加も承認した。

 総会後、環境省徳之島管理官事務所が12月22日オープン(式典21日)を予定する「徳之島世界遺産センター」(徳之島町花徳)の概要を説明。また、世界自然遺産推進共同体事務局(JAL奄美営業所・奄美大島空港所)が同空港における野生生物の密猟・持ち出し対策の現状を報告した。