視覚障がい者と「昇竜洞」歩く

視覚障がい者を援護しながら洞窟内を歩く参加者ら(5日、知名町)

安全で楽しめる観光地へ
沖永良部でおもてなし研修会

 【沖永良部】誰もが安心して訪れることができる観光地づくりを目指した「おもてなし実践研修会」が5日、知名町の観光スポット「昇竜洞」であった。観光事業者ら9人と視覚障がい者3人の計12人が参加。観光スポットを安全に楽しむための方法を考えた。

 県大島支庁「奄美群島心のおもてなし推進事業」の一環。eワーカーズ鹿児島の紙屋久美子さんが講師を務めた。

 参加者は、交代で視覚障がい者を援護しながら洞窟内を見て歩いた。ライトアップされた鍾乳石が近づくと、援護者が「左側の鍾乳石がキラキラしていてきれいですよ」などと説明。段差や狭い場所を確認見つけると「目の前に階段があるので気を付けてください」「天井が低くなっています。腰をかがめて歩きましょう」と声を掛けていた。

 同町の観光拠点施設エラブココに移動した参加者らは、洞窟を歩いた感想や反省点について意見を出し合ったほか、車イスの介助方法について学んだ。

 右目が見えず左目は弱視の清水信子さん(68)は「案内してくれる人がいると楽しい。鍾乳石が光っているのもかすかに見えたし、水の音が気持ちよかった。足を鍛えて、来年も来てみたい」。援護した娘の美穂さん(39)は「普段から2人で行動しているが、さすがに昇竜洞は難しいと思っていた。足腰がしっかりしているので、これからもいろいろなところに連れていきたい」と話した。