第5回奄美大島における血液製剤供給体制検討会(県保健福祉部薬務課主催)が2日、オンラインであった。この日は、血液備蓄所再設置などの検討に先駆けて、「悪天候時などのブラッドローテーション(血液の返品や再出庫)の実施」を議題に関係者らが協議。悪天候時に血液製剤が輸送できないと想定される場合には、予備の血液製剤を事前に県赤十字血液センターから取り寄せ、長期的に備えていくこととした。
血液製剤は、献血した血液で製造する医薬品。奄美大島では2018年3月に血液備蓄所が廃止されたことから、安定供給体制の構築が急務となっていた。
検討会は21年3月に発足。これまで供給体制の構築、備蓄所(出張所)の再設置に向けて協議が行われてきたが、人的・費用的側面から早期の運用は困難とみられ、当面の措置としてブラッドローテーションに関わる悪天候時の輸送などについての協議を先に進めることで昨年の実務者会議で合意していた。
期限の迫る血液製剤を融通し合うブラッドローテーションは以前から奄美大島でも実証に取り組んでいた。課題は悪天候時の輸送で、航空機が飛べない場合、血液製剤が島に届けられないことが問題になっていた。
検討会は冒頭、状況説明と各種報告が公開され、協議は非公開で行われた。
県薬務課によると、台風などが想定される場合は、あらかじめ予備となる血液製剤(5個)を注文し、航空機が飛べない期間は県大島病院で予備を保管して対応することとした。有効期限が4週間と短い輸血用血液製剤が対象で、航空機が稼働できるようになれば県赤十字に返却する。仮に血液製剤を使用した場合は使用者である県大島病院が費用を負担し、未使用の場合は県赤十字が輸送費を負担する。
運用については、県立大島病院と県赤十字が相談して決める。ただ職員への説明など準備には時間がかかるとみられ、運用開始は7月頃になるとみている。
同検討会は、県薬務課が事務局を担い、県医師会、県赤十字血液センター、県立大島病院、名瀬徳洲会病院、奄美大島5市町村担当者らで構成。厚生労働省医薬局血液対策課から3人がオブザーバーとして参加している。
