参加者らは納骨堂に献花し、408柱のみ霊に手を合わせた

入所者と交流しハンセン病問題への理解を深めた
県主催の「親子療養所訪問事業」が7日、奄美市名瀬の国立療養所「奄美和光園」(馬場まゆみ園長)であった。2家族8人及び県立大島病院の研修医3人が参加。施設内の見学や入所者との交流があり、ハンセン病問題の歴史などを学ぶとともに、偏見や差別の解消に向け理解を深めた。
同事業は、ハンセン病問題の正しい知識の普及啓発と偏見、差別の解消が目的。2022年から実施し、コロナ禍での中止を挟み、昨年度に再開した。
参加者は納骨堂で献花後、施設内を見学。資料館や農園などを見学し、ハンセン病問題や施設の歴史などを学んだ。見学後は、入所者と交流。入所時の状況や施設内の生活など、質問を交えながら、当時や現在の様子を確認した。
交流会では、同園職員と入所者の女性と懇談。入所時(当時小学5年生)のエピソードを、女性は「川遊びや山歩きなど、みんなと仲良く楽しく過ごした」と語り、今の子どもたちに伝えたいことを問われると、「家族や友達と仲良く助け合うとともに、勉強して弱い人を助けられる大人になって」と話した。
馬場園長は、参加者らに「今回の体験をきっかけに、さまざまな人権問題を身近な課題と捉えて、理解を深めえほしい」とし、「目で見たこと、肌で感じたことを家族や友人、知人に伝えて」と呼び掛けた。
同事業に参加するために来島した、鹿屋市の国立療養所「星塚敬愛園」の介護士、平原千穂里さん(41)は「職場でも聞くことのなかった、入所者や施設の歴史を深く知ることができた」とし、「つらいことばかりだったと思っていたが、楽しい思い出を語る入所者の話が印象的だった」と語った。長女の希優(まひろ)さん(花岡小4年)は「たくさん質問し、多くのことを知ることができて良かった」と話した。
和光園は県内2か所目の国立ハンセン病療養所として1943年に開設。現在、入所者8人(平均年齢89歳)で、全国13か所の療養施設では最少となっている。

