秋高校野球県予選 徳之島応援席

徳之島の得点機に盛り上がる応援席=平和リース

「やれば、できる」
「この悔しさ」バネに

 【鹿児島】第157回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第14日は9日、鹿児島市の平和リース球場で準決勝2試合があり、徳之島が20年ぶりの決勝進出と九州大会出場をかけて出水中央と対戦した。一塁側の徳之島応援席は島からやってきた保護者や生徒、卒業生や島ゆかりの人らが一丸となり、選手たちの背中を押した。

 学校からは吹奏楽部と有志の一般生徒約70人がフェリーで来鹿。9日朝に鹿児島に到着し、その足で平和リース球場にやってきた。「ホテルで部員たちを激励した時、何かやってくれそうな良い表情をしていた」と上田勇一校長。九回に1年生の代打・井川天晴選手の同点適時打が出た時には「感動した」。決勝と九州大会出場は逃したが「やればできるということを示してくれた。これからも何事においても自信をもって取り組んでほしい」と賛辞を惜しまなかった。

 野球部3年生の元主将・白坂心之丞さんは夏に初戦敗退だった後「監督さんや後輩たちが『絶対秋に雪辱するから』と言ってくれた」ことを鮮明に覚えていると言う。言葉通り、ベスト4まで勝ち上がってくれたことは感動だったが「後輩たちは決してこの成績で満足していないはず。来年の夏は『この秋の悔しさがあったから』と言えるように、成長して結果を出してほしい」とエールを送っていた。(政純一郎)