菊次郎の功績を今に

連続して龍郷町青少年ミュージカル「KIKUJIRO」に出演し、メンバーのリーダーとなっている左から宮山來三さん、山口京桜さん、圓山結礼さん(22日、奄美新聞社)

個性引き出す演出で新たな感動
来月龍郷町 5回目のミュージカル

 龍郷町青少年ミュージカル実行委員会、同教育委員会主催の青少年ミュージカル「KIKUJIRO」が今年度は例年より3か月早く12月に開催される。ミュージカルを通して西郷菊次郎の功績や人柄を地元に伝えるが、今回で5回目。ストーリーは変わらないものの、演じるキャストの個性引き出す演出によって新たな感動が味わえる。

 キャストは32人(龍郷町28人、奄美市4人)で、内訳は小学生9人、中学生14人、高校生9人。このうち新メンバーが4人、再び参加が1人で、ほとんどが継続しての出演のため、まとまりがあるという。大島高校ダンス部と劇団ニライスタジオが賛助出演する。

 3か月早まったのは、菊次郎ゆかりの地であるさつま町が町制20周年記念で龍郷町青少年ミュージカルを招待し来年3月開催を計画しているため。同町の永野地区にある金山で菊次郎は館長を務め、地域発展に尽力した。龍郷町教委の重田美咲主査は「4月に出演する子どもたちを募集し5月から稽古スタートは、これまで通り。開催が3か月早まったが、継続メンバーが多く影響はない」と話す。

 総合演出は引き続き演出家の松永太郎さん。来島し松永さんが直接指導するのは月2回(金~日曜の三日間にわたって)の稽古で、それ以外は週1回(主に金曜日)、1回あたり2時間半~3時間の稽古をメンバーが自主的に行っている。菊次郎生誕100周年を記念し2021年からミュージカルが始まり、以降継続していることから、松永さんはメンバーの自覚や自主性を重視し、稽古も任せているという。

 こうした稽古スケジュールを立てたり、新メンバーにダンスなどを教えるといったリーダーとなっているのが高2メンバー。このうち出演を重ねているいずれも大島高校2年の山口京桜さん(龍南中出身)は「菊次郎を演じて今回で3回目となる。少年期と成年期のうち、成年期を演じるが、昨年度は精いっぱいやり切ったという気持ちが強かった。今回、また違う演技を見せることができるようにしたい」、宮山來三さん(同)は「台本自体のセリフは少なく、動きやその場で思いつくアドリブの方が多い。個性的な役で、笑いを取ることができるよう工夫したい」、圓山結礼さん(龍北中出身)は「3回連続でイトさん(菊次郎の父・西郷隆盛の3番目の妻)を演じる。イトさんについて、これまでで一番調べた。愛加那さんとの間にできた菊次郎を引き取り(鹿児島の西郷本家で)、我が子のように世話をした心の広い方だった思う。そんなイトさんの性格をイメージしながら一つ一つのセリフに気持ちを込めたい」とそれぞれ語った。

 公演は12月20日(開場午後5時、開演6時=夜公演)、21日(同午後1時、同2時=昼公演)、町体育・文化センターりゅうゆう館文化ホールで。鑑賞料金は一般2千円、高校生以下千円。全席自由席で、当日券は残席がある場合のみ500円増で販売。プレイガイドは、町内はりゅうがく館(電話0997・62・3110)、りゅうゆう館(同0997・62・5566)など。問い合わせは龍郷町青少年ミュージカル実行委員会(同町教育委員会内)電話0997・69・4532まで。

 菊次郎は西郷隆盛の長男(1861~1928年)。日本統治下の台湾で宜蘭(イーラン)支長を務め治水工事に取り組んだほか、京都市長としてもさまざまな事業により多くの功績を残した。重田主査は「龍郷町の名誉町民だが、西郷と愛加那との間の子どもは知られても、その功績については地元で知られていない。父親とも重なる人柄、さまざまな苦難を乗り越えた気持ちの強さ、国際人としての生き方を、このミュージカルを通して演じる子どもたちだけでなく、地元の多くの皆さんが知っていただけたら」と来場を呼び掛けている。