弓削文庫の可能性について考えた講演会(22日、知名町)
奄美研究の拠点に
知名町で講演会 残した書き込みに注目
【沖永良部】2025年度読書講演会「弓削文庫を知ろう」が22日、知名町あしびの郷・ちなであった。鹿児島大学教育研究センター特任准教授の伴野文亮氏が講演し、同町出身の郷土史家・弓削政己氏(故人)が同町へ寄贈した文献史料「弓削文庫」の価値や可能性を考えた。
弓削氏は2016年3月死去。生前からの要望で、所有していた文献史料約1万点を町へ寄贈した。
同町では、昨年度から鹿児島大学の協力を得て、一般公開を目指して史料の整理作業を進めている。新年度中には、史料のうち公刊された書籍類を同町立図書館内で閲覧可能にする予定という。
講演した伴野氏は、弓削氏が史料の中に残した書き込みに注目し「近世から近代にかけて、奄美がどのような歴史経験をしたのかをグローバルな視点で考えていた。その軌跡が残っている。奄美の歴史研究に費やしたエネルギーやプロセスが弓削文庫の史料から分かる」と説明した上で、「奄美のことを考えるための重要な研究拠点になる」と文庫の可能性を示した。
文庫の整理作業を担当した鹿児島大学法文学部2年の赤井洸太さんと出石将康さん、佐藤綾乃さんの3人が文庫の活用案を発表。文化財の活用に取り組んでいる先行事例を紹介し、「自分たちの手で地域の歴史史料を守ることが近年の歴史学のトレンドになっている」と述べ、群島各地の中高生を知名町に集めて史料の保存作業を体験できる教育プログラムを提案した。

