「国直の海には133種のサンゴが生息する」と報告するWWFジャパンの関係者(10日、大和村国直公民館)
「正の走行性」の実験で白い光に向かって走る生後6日のアオウミガメ
夏休みの子どもたちが海の環境を学ぶ「ウミガメミーティング」(奄美海洋生物研究会など主催)が10日夜、大和村国直の国直公民館であった。親子連れなど約60人が参加。奄美大島各地の砂浜で産卵するウミガメの生態と、地球温暖化などの影響を受け変化するサンゴ礁の生態系を学んだ。
講座は、ウミガメの産卵環境の保全を目的に、2012年から開催。同研究会は、奄美群島各地の砂浜における上陸・産卵状況などの調査結果を広く還元してきた。
初めに、同研究会の興克樹会長(54)が「子どもウミガメ講座」を開き、アカウミガメとアオウミガメの見分け方や分布、砂浜での産卵場所の違いなどを説明した。
続いて、WWF(世界自然保護基金)ジャパン第1自然保護室の佐々木小枝(さえ)さん(38)が、7月に同集落の海で実施した「サンゴ礁生態系保全プロジェクト」の第1回調査の結果を報告。
佐々木さんは、「日本にいる約400種のサンゴのうち、国直で18科48属133種を確認した。これは日本のサンゴの3分の1に相当する」などと発表した。
この日は、国直海岸でウミガメのふ化の観察も計画されていたが、兆候が見られず断念。代わって、生後6日のアオウミガメの赤ちゃん3匹が登場した。
奄美市の大浜海浜公園で5日朝ふ化し、産卵巣に取り残された4匹のうちの3匹。暗くなった国直海岸で、「正の走行性」(生物が刺激源に向かって移動する行動)の実験が行われた。
実験で子ガメは、波長の短い赤色の光には反応しないが、白い光を当てられると一目散に走り出した。全ての明かりを消した実験では、月明かりを反射する海を目指した。
まだ5㌢ほどの小さな体。前ひれをばたつかせながら懸命に歩く姿に、参加者は歓声を上げていた。
母親の実家(奄美市)に里帰り中の東京都の中学2年生、福井優さん(13)は「子ガメを見るのは初めて。小さな体で、アメリカやメキシコまで回遊すると聞いて驚いた」と話した。

