県議会9月定例会は10日から代表質問に入り、同日はいずれも自民党の中村素子議員=阿久根市・出水郡区=、伊藤浩樹議員=出水市区=が登壇した。県警幹部による情報漏えいなど不祥事が相次いだことによるイメージ悪化の影響で、警察官採用試験の受験者が5年間で約半分に減少したことが報告された。今年度から受験機会の増加、採用試験の前倒しなどに取り組む。
県警本部の岩瀬聡・本部長の答弁によると、直近5年間の警察官採用試験の実施状況は、▽2020年度=受験者数438人→最終合格者129人(競争倍率3・4倍)▽21年度=461人→107人(4・3倍)▽22年度=288人→59人(4・9倍)▽23年度=262人→100人(2・7倍)▽24年度=226人→108人(2・1倍)―と推移。20年度と24年度を比較すると5年間で受験者数は48・4%と5割近くも減少。競争倍率は3~4倍台から2倍台まで下がった。
岩瀬本部長は「厳しい情勢にある」との認識を示し、優秀な人材確保へ25年度から受験機会を増やすため、大卒者を対象に年度内に2回目の採用試験を実施。さらに民間企業の早期内定に対応するため採用試験の前倒し、遠方の県外居住受験者が受験しやすいよう県外に試験会場の設置、新たな受験者層の獲得へ民間企業の入社試験でも広く用いられている選考方法を導入するなどの取り組みを検討しているとした。
トカラ列島近海の群発地震、新燃岳・桜島の火山噴火といった災害対応で、国が進める防災DX(デジタルトランスフォーメーション)取り組みへの県の対応の質問があった。向井一幸・危機管理防災局長の答弁によると、国は新総合防災情報システムを中核として各防災情報関係システムのデータを集約し、災害対応機関などと共有する防災デジタル基盤を今年度までに構築する。県の取り組みとして向井局長は「今後のシステムに集約されるデータを積極的に活用し、災害被害の全体像の把握と県防災ポータルサイトへの的確な情報反映を図ることで災害対応の迅速化と県民への情報提供に取り組む」と述べた。防災分野におけるDXの推進で対応能力をより一層強化していく。
鹿児島県の最低賃金が大幅に引き上げられたことで県外への人材流出防止、消費拡大による景気の好循環が期待されている。一方で中小企業の多くが経営基盤は脆弱(ぜいじゃく)で、原材料価格の高騰や人手不足により厳しい経営環境にある。こうした企業の対策について北村貴志・商工労働水産部長は答弁で「県では企業の稼ぐ力向上へ21年度以降、製造業やサービス業における自動化・省力化、中小企業のDXなど生産性向上の取り組みを集中的に支援している」と述べ、24年度までに延べ1400社以上への支援を報告。今年度も当初予算に約10億円を計上しており、8月までに174件の取り組みの支援を決定したとした。
また、県では円滑な価格転嫁を促進するため、「パートナーシップ構築宣言」(サプライチェーン=供給網=全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携や親事業者と下請け事業者との望ましい取引慣行の順守を目的に、企業の代表者が、発注者の立場から新たなパートナーシップの構築を宣言するもの)企業の拡大に向け継続的に制度の周知広報に取り組んでいる。北村部長の答弁によると、県内の宣言企業は8月末までに1040社に拡大。さらに今年度は新たに価格交渉等を効果的に進めるため企業向けセミナーを県内3地域で開催したほか、9月と3月の価格交渉促進月間に県内の経済団体や労働団体と連携、さらなる機運醸成に取り組み、賃上げに対応できる事業環境を整備していくとした。
11日も代表質問がある。
