16年産サトウキビ

台風接近などもなかったことから、40万㌧台の生産量が見込まれている16年産サトウキビ

生産見込み 大幅に前年超か
徳之島、沖永良部で年内操業

台風接近の少なさなど自然環境を要因に、順調に生育しているとみられる2016年産(16~17年期)サトウキビ。奄美新聞社による群島の主要5製糖工場などへの取材によると、16年産の生産見込み量は合計約43万8千㌧で、前期実績の累計37万9117㌧を上回る見通しとなった。24日現在、徳之島と沖永良部島の2社が年内操業を予定している。

群島最大の産地である徳之島。前期実績と比べて面積は減少したものの、適度な降雨に加えスプリンクラーによる畑かん効果で、単収の大幅な増加が示されており、生産見込み量(今月1日現在)は前期実績比4万1556㌧増の21万751㌧。6年ぶりに20万㌧台回復が予想される。

同島の南西糖業㈱は製糖開始を前期より14日早い12月8日に決め、4月上旬までの操業を予定する。ほ場ブリックスは前期比2・63度減の16・70度で前期を下回った。

沖永良部島の南栄糖業㈱は、12月1日から操業開始。生産量は前期より約9600㌧多い、9万6068㌧を見込んでいる。ほ場ブリックスは17・55度で、操業は4月中旬までを予定している。

与論島製糖㈱の操業時期は、1月上旬から3月末の予定。与論町によると、島内の生産量は前期実績比約1300㌧増の約2万8千㌧を見込んでおり、同社担当者は「自然災害なども少なく順調に成長している」としている。

奄美大島の富国製糖㈱は、生産量を約2万6千㌧と試算。同島でも面積は減少したが単収は約1・1㌧増を予定することから、前期実績比約4200㌧の増産を見込む。製糖時期は1月10日から3月末を予定している。

前期実績比約2千㌧増の約7万7千㌧を見込む喜界島。生和糖業㈱によると、今期の操業時期は24日現在で未定。前年実績が約7万5千㌧だった15年は、2年ぶりに年内操業を行っている。

今年、奄美地方への台風接近は例年に比べ少なく、大規模な干ばつもなかった。各社は「天候に恵まれたこともあり、これまで順調に生育している。生産量に期待したい」としている。