古仁屋 2季連続初戦突破

【2回戦・薩摩中央―古仁屋】8回裏古仁屋二死一二塁、8番・山畑が右中間二塁打を放ち、4―2と勝ち越す=姶良

奄美も完封で3回戦へ
きょう奄美勢4校登場

春高校野球第2日

【鹿児島】第140回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第2日は22日、鹿児島市の県立鴨池、鴨池市民、姶良市の姶良、3球場で2回戦7試合があった。

奄美勢は古仁屋が薩摩中央に競り勝ち、昨秋に続いて2季連続で初戦突破した。奄美は出水商に完封勝ちで3回戦に勝ち進んだ。

第3日は23日、3球場で2回戦8試合がある。奄美勢は徳之島が国分中央、沖永良部が川内商工、喜界が出水と、大島が加治木とそれぞれ対戦する。

【評】2点を先制された古仁屋だったが、三回二死から敵失で好機を作り、4番・中江の右前適時打で反撃開始。五回、3番・恵の左前適時打で同点に追いついた。六回以降は膠着状態が続いたが、八回二死一二塁から8番・山畑、9番・岩井、1番・徳田の3連続適時打で4点を勝ち越した。三回からロングリリーフした永井が低めを丁寧に突き、追加点を許さなかった。

【評】奄美は一回裏、先頭の1番・古木がレフト線二塁打で出塁。捕逸で労せず先制点を挙げた。二回以降、両者得点が奪えず、投手戦になったが、六回に5番・保島がレフトスタンドにソロを放って追加点を奪うと、七回にはスクイズと4番・中原の走者一掃二塁打で3点をダメ押し主導権を握った。投げては先発の傳が8安打されながらも粘り強く投げ抜き、完封した。

下野政幸監督 記録にならないミスも多かったけど、冬場の練習でやってきたことが出せたのは良かった。攻めのかたちや、ここで守ってほしいところを守り切れた。

「泣かずに校歌、歌えた」
練習の成果出し切る
古仁屋

【2回戦・薩摩中央―古仁屋】接戦を制し、2季連続で勝利の校歌を歌う古仁屋ナイン=姶良

古仁屋は、昨秋も勝利したゲンの良い姶良球場で、再び勝利の校歌を歌うことができた。中江好輝主将は「泣かずに歌えたことに自分たちの成長を感じた」と胸を張って言い切った。

高校から野球を始めた「素人」(竹山英輔監督)が多い古仁屋にとっては、公式戦で九回まで接戦すること自体が初めての経験だった。初回に先頭打者を歩かせて、バント処理ミスでピンチを広げる。これまでの古仁屋なら、大量失点を喫してもおかしくない場面だったが、2失点でしのげたのが大きかった。

無死一三塁で相手が重盗を仕掛けたのを、二塁手・長瀬が落ち着いて本塁送球し初めてのアウトをとった。捕手・岩井は三盗を阻止しピンチを脱した。「練習したことをしっかり出し切ってくれた」と竹山監督。左翼で守っていた中江主将は「次のプレーを考えた意味のある声掛けが、できていた」と言う。

三回からロングリリーフだった永井は、低めを丁寧に突く投球で相手打線に追加点を許さなかった。守備陣も二回以降は無失策で守り切った。八回に勝ち越しの右中間二塁打を放った山畑は、練習試合で打てず不振にあえいでいたが、竹山監督が付きっきりで指導し、最後の勝負所で指示通り右方向に適時打を放った。

何より「チームワークができた」手ごたえを中江主将は感じた。竹山監督は「もう素人は卒業した。高校野球がしっかりできるようになった」と選手の成長に太鼓判を押していた。
(政純一郎)