西郷隆盛と「倒幕」運動講演

西郷隆盛と薩長同盟について、熱く講義をする桐野作人さん


西郷隆盛直系5代目の西郷隆太郎さんが歩美夫人、昨年12月に誕生した6代目・隆公ちゃんとともに出席した

果たした役割を再検討
歴史作家 桐野さん

  【東京】西郷隆盛敬天愛人の会(平山徳廣会長)はこのほど、品川区上大崎にある「三州倶楽部」で2018年定例講演会を開催した。歴史作家の桐野作人さんを講師に迎えた記念講演には、約100人が出席。参加者は改めて示される西郷隆盛の姿を思い浮かべるよう、熱心に耳を傾けていた。

 「敬天愛人の教え」の唱和などに続いて登壇した桐野さんは、「西郷隆盛と『倒幕』運動」と題して講演。「これまで薩長同盟は、坂本龍馬が西郷隆盛と木戸孝允に手を握らせたものだと言われてきたが、もはやそれは古い考え」と、講演を開始した。

 慶応2(1866)年1月21日の「小松帯刀・西郷と木戸に坂本が同席して秘密会談」など、西郷が当時置かれていた環境と、同盟締結に果たした役割についてさまざまな角度から再検討。「あまり知られていないが、当時の西郷はその地位が揺らぎ、苦境にあった」などと解説。最後は「薩長同盟は、西郷が本格的に大きな力を発揮することになった事件だ」と結論付けた。

 また「(島津)斉彬が『西郷を扱えるのはわししかいない』と述べていることから、独立の気性が強いのでは」と、西郷のイメージを語った。講演が終了し、来賓あいさつの後、参加者全員で記念撮影に。その後、25周年記念誌出版記念祝賀会を兼ねた懇親会へ移行した。

 余興では、鶴丸和大さんが唄「会歌 偉人・西郷隆盛」を披露すれば、竿田美也子さんらも伸びやかに歌声を響かせた。平山会長は、「このたび、会誌『敬天愛人』を再刊するにあたり、改めて『西郷精神』を学び、その実践を自らに課する所以(ゆえん)であります」と言葉を寄せている。