「水産加工施設」整備へ

「水産加工施設」整備へ

大和村が計画している水産加工施設の建設予定地(手前側の空き地)

年内着工、来春に完成
大和村計画 体験型観光とも連動

 大和村は2018年度に「水産加工施設」建設を計画している。木造平屋建て1棟(床面積120平方㍍)に調理器具などを整備予定。建設場所は、津名久の奄美漁協大和支所の隣接地。村は施政方針で「体験型観光とも連動する水産加工施設を整備することにより、調理体験などを通して魚食の普及や新鮮な地場産魚介類の地産地消に努める」と説明している。

 建設予定地は、村道から奄美漁協大和支所に入る取り付け道路と支所施設の間にある空き地。

 村産業振興課の郁島武正課長によると、漁協からの要望を受けて水産加工施設の建設を計画。県単独事業の「地域振興推進事業」を導入し、総事業費は3780万円(補助率50%)。年内に設計発注、着工し、来年3月中旬ごろの完成を目指している。

 事業計画書では、施設内備品は、水切りタンク、作業台、一槽シンク・舟形シンク(水洗い場)、ミートチョッパー、ガステーブルなどを予定しているが、「最終的にどの備品を整備するかは、関係者と意見交換し、調整しながら決定していきたい」(村産業振興課)。

 事業計画書の事業目的および効果説明の中では、①「食」の体験メニューを確立するために水産加工施設を整備し、受け入れ態勢を強化するとともに、将来的には同施設を活用した低利用資源や地元特産水産物の6次産業化への取り組みの機運を醸成し、漁家所得向上へつなげたい②「浮き魚礁」「伝統漁業体験」「郷土食調理体験」「水産加工施設」、将来的な「6次産業化」の5項目のハード、ソフト両面を有機的に結び付け、より効果的で村の独自色のあるブルーツーリズムを確立し、魅力的な体験型観光メニューを創出することで、新規客およびリピーター化による交流人口の増が見込まれ、村の認知度向上にもつながり、地域が活性化される―との内容を記している。

 建設計画策定に当たって、奄美市住用町と笠利町の水産加工施設を見学したという。