暴風、高波、ボルト腐食原因

暴風、高波、ボルト腐食原因

折損した固定ボルトなど、倒壊した灯台の調査経過を発表した

頭部分から約15㌢付近で折損した固定ボルトの一部

 

仮灯台活用呼び掛け
倒壊の灯台調査経過報告
奄美海上保安部

 

 奄美海上保安部は18日、台風24号により倒壊し一時消失していた、名瀬港の西防波堤灯台についての調査経過を発表した。灯台と基礎のコンクリートを固定するステンレス製のボルト16本のうち、回収した折損ボルト13本の締め付け位置を確認した。今後、ボルトの腐食原因などを調べ、結果を踏まえ対策を取るとしている。海中で発見された灯台の引き上げ作業などの日程は未定。同保安部では船舶を利用する関係者に、緊急措置として設置されている仮灯台の活用を呼び掛けている。

 同灯台は、高さ11㍍。直径2・2㍍の強化プラスチック製で重量が約4㌧。関係者によると、最大瞬間風速63㍍までの暴風を想定した設計だという。今回の灯台倒壊について、同保安部関係者は「台風の暴風、高波とボルト腐食が要因」などと分析している。

 一時消失していたが、13日に防波堤中央付近から約30㍍沖合の海中で発見。折損したボルトのうち11本は、灯台に付いた状態で残り、落下していた2本も回収し、「コンクリート基礎部を確認、取り付け位置についても確認した」。

 固定ボルトは直径30㍉、長さは約1㍍で、折損したボルトの大部分が頭部分から約15㌢付近で折れ、残り約85㌢はコンクリート内部に残った状態だという。

 定期的な灯台調査も行われており、直近では今年1月中旬に実施。点灯状態のほかに、固定部の目視確認も行うが、小型のもの(高さ約5㍍)はボルトの接着部が外側にあるのに対し、倒壊した灯台は内部にある。

 灯台の回収作業など今後の日程については、「これからある、臨時国会で予算要求する」(第10管区海上保安部)見込みで未定。奄美海上保安部の近藤竜一郎交通担当部長は「腐食した原因などの調査結果を踏まえ、今後対策を施していきたい。灯台復旧までは、防波堤先端に設置している簡易灯台を利用してもらいたい」と話した。