ブラジル移民100周年記念

元田村長(左)が25年前のブラジルでの記念式典参加者に資料を紹介

歴史知り広い視野を
宇検村、企画展開幕

 宇検村教育委員会は22日、同村の生涯学習センター元気の出る館で「宇検村ブラジル移民百周年記念企画展~海を渡った開拓者たち~」を開幕させた。移民100年の歴史などを約100枚のパネルや写真で紹介。25年前にブラジルに行き75周年記念式典に参加した当時の村担当者なども出席し、写真パネルを見て思い出を語り懐かしんだ。同企画展は、12月25日まで開催される。

 開幕を祝したイベント冒頭で、村教委の村野巳代治教育長があいさつ。「昨年が村制施行100周年で、今年はブラジル移民の100周年。村がこれから進む道は、過去を知り学ぶことが大事」「現地では100年たっても、宇検村のことを忘れていないことに感激した。子どもたちには広い視野を持ってもらいたい」などと話した。

 続いて元田信有村長があいさつ。「宇検村からいろんな世界に進出していった歴史があった。世界に目を向けた先輩たちがいたことを、次世代を担う子どもたちに伝え、(世界に雄飛する)精神が引き継がれるよう多くの村民などに見てもらいたい」と語った。

 出席者に渡聡子学芸員が、企画展の概要と資料を一部説明。企画展は、①移民の歴史②戦前のブラジル移民③戦後のブラジル移民④宇検村・奄美とブラジル―の4章ごとに分けて、移民の背景や村とブラジル現地の移民たちとの交流の様子を伝えるパネルと写真などを展示。渡さんによると、25年前の75周年記念式典参加時の写真のほか、役場に残っていた渡航許可申請書やブラジルから国際郵便で届いた封書などの資料が初公開だという。

 開幕した企画展について渡さんは、「昨年に発刊した『宇検村誌』の成果を活用できた。遠く離れた地で宇検村のことを忘れないでいる人たちがいる。企画展を見学して、移民やその子孫たちに思いを馳せてほしい」と話した。

 同企画展は、12月25日まで開催(祝日は休館)。入場無料となっている。