小宿・朝戸・西田の3集落新たに認定

小宿・朝戸・西田の3集落新たに認定

2018年度奄美市「一集落1ブランド」認定式があり、新たに三つを認定した

「地域活性のきっかけに」
奄美市「一集落一ブランド」事業

 奄美市が集落=シマ=の活性化につなげようと認定する「一集落1ブランド」にこのほど、同市名瀬小宿町の「小宿相撲甚句」、同朝戸町の「ホートマタとナンゴンの滝つぼ」、同西田町の「鶏卵~八月踊り・唄~」三つが新たに選ばれた。30日に、庁舎で認定式があり、朝山毅市長から3集落の代表者らに証書が渡された。

 同市が2007年度から取り組む「一集落1ブランド事業」。各集落の伝統芸能、特産品などの地域資源を「地域の宝」とし、住民はじめ来訪者らとの交流などに活用され、シマおよび地域の活性化を促すことを目的にブランド認定する。今年度、3集落から申請があり、審査を経て認定となった。

 「小宿の相撲甚句」は、豊年相撲などで披露されており、100年以上そのままの形で歌い継がれてきた。現在の6代甚句唄い手で岡山純博さん(70)は、30年ほど歌い続けているという。

 「ホートマタとナンゴンの滝つぼ」は、同朝戸の豊かな自然の中にある二つの滝。ナンゴンの滝は、本滝の高さが約10㍍。ホート又の滝の周囲にはオオタニワタリなどの植物が豊富に自生し、滝つぼにはタナガなどの生き物も数多く生息している。

 同西田町の集落八月踊り唄として「鶏卵」も100年ほど前から、伝承されてきた。旧暦の「九月九日祭」などで、子どもから大人までが参加し、今も踊られているという。

 認定式には、3集落から、それぞれの代表者が出席。小宿町内会の山田良一会長(63)は「次の世代を担う若い人たちに、小宿の誇る相撲甚句を継承していかなくては。豊年相撲で観光客などを呼び込むなど集落の活性化につなげられたら」と抱負を語った。

 同西田町内会の原口英代さん(67)も「若い人が少なくなっている現状もあるが、消さないよう伝えていけたら。歌は掛け合い。男女とも後継者を育てていきたい。九月九日祭含めて伝承できれば」。

 同朝戸町内会の岸田国広会長(52)は「地域の盛り上がりのきっかけもになれば。民泊を始めるための計画も進んでいるが、自然体験メニューに活用したい」などと話した。

 今回の3ブランド認定を含め、集落ブランドは21集落・23ブランド。