初当選果たした元山公知村長

新首長インタビュー
対話でしこり解消 人口減少課題 交流助成金で大作

 元村議同士の激戦となった宇検村長選。元田信有現村長の村政継承をうたう元山公知氏(48)が若さと実行力を武器に、「元気な村づくり」をアピールし、相手候補と23票差の接戦を制し勝利した。当選から一夜明け21日、新町長としてこれからの任期4年間をどのように取り組んでいくのか、意気込みを聞いた。

 当選から一夜明けて、感想は。

 当選の一報後、「これからが大変だぞ」と支持者らにも言われた。喜びもあるが、だんだんと村長としての重責に変わってきている。

 村長選への出馬を決意したのは。

 (昨年)9月に元田村長の勇退を聞いてから。相手陣営が動きを見せている中、周囲から「無投票で良いのか」「責任を感じないのか」という意見もあった。元田村長の公正・公平で和を大切にする政治を継承したく思い、手を挙げた。

 厳しい戦いとなった選挙戦を振り返ってどうか。

 本当に厳しい戦いだった。支持者が各集落の中心人物で、人望のある人の集まりだった。これで負けるわけがないと思っていた。支持者一人ひとりが全員で動いてもらったことが勝因。

 接戦により、村内に生まれる“しこり”の解消にどう取り組むか。

 とにかく、対話をすることが一番。時間があれば全集落をまわりながら、いろいろな人と話しながら、集落住民とコミュニケーションが取れたら。

 村議会内でも、しこりが生まれると思うが。

 「村を発展させていこう」という思いは(議員も)全員同じ。村議が代替案を出さずに反対すことが、しこりの解消を妨げる。村議に自身の思いを理解してもらうよう対話し、ともにしこりの解消に努めたい。

 村の課題と解決に向けた具体的な方策は。

 人口減少が一番の課題。村民交流助成金による対策の他、村外からの収入を宇検村に落とし、村民のやる気を出すことで、村が元気になり、「また来たい」と思ってもらえるのではと考えている。国の輸送コスト支援事業について、村民に還元できるかを精査。無理であれば村独自制度を作る必要がある。

 村民交流助成金とは具体的にどういうものか。

 各郷友会員に呼び掛けてもらい、2、3世が宇検村に来る際に、交通費を助成。多くの人に宇検村を見てもらい、移住を推奨する努力をする。村内の若者などを郷友会に参加させ、疲弊する郷友会に若者による活気を与えたい。

 Uターン以外にIターン誘致はどうするのか。

 今ある親子山村留学を集落の活性化委員会の意見を聞きながら見直していく必要がある。地区の要望を受けながら進めていきたい。

 これから目指す村長像は。

 村民と近い村長になりたい。自分からも声を掛けるが、みなさんが自分に声を掛けやすい村長になりたい。

(聞き手・西田元気)

メモ
(もとやま・あきら)
1989年県立大島高校卒。東京での会社員経験、沖縄での飲食店経営などを経て2003年に帰郷。翌04年に村議初当選。4期半ばで議員職を辞職した。「外面はかわいらしいのに中身が凶暴ということで、周囲からは『動物に例えるとカバ』とよく言われる」と笑う気さくな人柄。選挙のために1月4日から断酒していたが、当選の報を聞き早速解禁したという。二三代夫人(48)と2人暮らし。48歳。