「奄美たんかん」はさみ入れ

2018年度「奄美たんかん」のはさみ入れ式が奄美市住用町の果樹園で行われた

台風影響で減収見込むも品質例年並み

 2018年度産の「奄美たんかん」はさみ入れ式(JAあまみ大島事業本部主催)が1日、奄美市住用町役勝の果樹園で行われた。今期産は昨年9、10月に相次いだ台風襲来で生産量は昨年度より減収予想。一方で品質は酢切れが進み糖度は平年並みという。JAは取扱目標100㌧を掲げている。

 式は役勝地内の松元修一さん(65)の果樹園であり、生産者や関係団体、行政らが出席した。

 同本部生産部会連絡協議会果樹部会の大海昌平部会長は「昨年9月の台風24号の強風被害受けた中で、これだけのタンカンが着果した。農家は適期収穫してJAへの出荷など協力をお願いしたい」とあいさつした。

 同農園の松元さんは父親から園地を引き継ぎ、当初はポンカン主体で営農を開始。タンカン主体の栽培に移行し、排水対策や防風林を整備するなどして品質向上に努めている。

 収穫を迎えたタンカンは10年、100㌃に植栽して8年目。松元さんは「海から離れていたので、台風による塩害はなく何とか持ちこたえた。おいしいタンカンを皆さんに味わってもらいたい」と話した。

 朝山毅市長(代読)は「タンカンは国内産地間の競争激化や、担い手不足など厳しい状況にある。奄美は温暖な気候で栽培面積も増えており、県内でも注目を集めている産地。ブランド確立に関係機関と連携して、選果場の有効活用を図りたい」と語った。

 今年度産について大海部会長は「昨年の台風24号による塩害でタンカンの果実などが落ちたことから、奄美大島は例年より少ない700㌧ほどになるのでないか」との見解を示した。品質面は「タンカンの酸の下がりが早く、農家には色を出してから早めの収穫を呼び掛けた。糖の入りは例年並み」と話した。

 選果場への受け入れは、前年同様に集荷日を設定。月・水・金が共販(JA)、火・木・土が委託(個人)選果。14、15日は同市名瀬朝戸の農村環境改善センターと選果場で、品評会と表彰式を予定している。