徳之島たんかん「玉黄金」はさみ入れ式

徳之島町柑橘生産組合の「徳之島たんかん『玉黄金』」のはさみ入れ式=1日、同町母間

台風減産も品質良好
徳之島町柑橘生産組合

 【徳之島】徳之島町柑橘生産組合(是枝純一組合長、組合員数約85戸)の「徳之島たんかん玉黄金(たまこがね)」収穫のはさみ入れ式(町共催)が1日、同町母間の「佐原農園」であった。前期に次ぐ台風被害に加えた一部鳥獣被害などで減産見込みだが、糖度や着色など品質面は良好だ。「こんな時こそ商品管理を徹底。おいしくて安心な玉黄金を消費者に」と決意しあった。

 関係者によると、徳之島3町のタンカン栽培面積は約72㌶(うち徳之島町内約60㌶)。生産者自らの顧客に対する個別直販を中心に、同柑橘生産組合銘柄「玉黄金」(商標登録)としての共販量は年平均で約15㌧という。

 今期産は〝隔年結果〟の表年に当たることから当初は「豊作」を予想した。しかし2期連続の台風被害で減産見込みに暗転。さらに一部のタンカン園では、2期連続の台風被害や従来のイノシシに加えて、野鳥のヒヨドリの群れによる食害も数年ぶりに発生。同町井之川地区では、収穫見込みが「例年の3分の1程度」と深刻化している園もある。

 はさみ入れ式は同町母間の農業佐原均さん(69)の園であり、生産組合員や県・町農政、窓口受注・発送タイアップの日本郵便㈱など関係者が参加。是枝組合長(70)は「台風被害で今年も収穫減が予想されるが、こんな時こそ商品管理を徹底。私たちの真心のこもったおいしくて安心なタンカンを消費者の皆さんに届けよう」とアピール。

 また、県に申請の「かごしまの農林水産物認証制度」(K?GAP)も近く認証見通し(同品目では3件目)であることも報告した。

 佐原さんのタンカン園(約25㌃)は苗の定植時、約75㌢間隔でスギ幼木の防風林を巡らせて11年目。地形条件とも相まって台風被害にも〝無縁状態〟で枝もたわわに見事に着果。是枝組合長や佐原さんら関係者代表ではさみを入れた後、早くも来期を意識した不退転の「がんばろう」三唱で気勢を上げた。収穫は3月下旬ごろまで続く。

 今月13日午前9時からは「徳之島地区たんかん品評会」をJAあまみ徳之島事業本部で計画している。