伊仙町で出発式  赤土新ばれいしょ「春一番」

安心安全・高品質の「かごしまブランド産地」確立へ(徳之島地区赤土新ばれいしょ「春一番」出発式)=2日、伊仙町

不退転の1万㌧、20億突破へ
2、3月は全国の主役

【徳之島】2019年産「徳之島地域赤土新ばれいしょ『春一番』」出発式(同「春一番」連絡協議会、JAあまみ徳之島・天城両事業本部主催)が2日、伊仙町総合体育館であった。前期は市場価格の暴落で極めて厳しい年となったが、「安心安全・高品質で消費者に信頼されるブランド産地」として、3町のJA共販目標「1万㌧、20億円突破」を決意した。

19年産の共販計画は、▽JAあまみ徳之島事業本部(伊仙・徳之島両町)=面積346㌶(前期比16㌶増)、出荷量6220㌧(685㌧減)▽天城同=240㌶(25㌶減)、4200㌧(1234㌧減)。3町計586㌶(9㌶減)、1万420㌧(1919㌧減)を見込む。両事業本部の各選果場は先月下旬から集選果・出荷に入った。

出発式にはJAあまみや全国の主要青果会社、行政、3町の生産農家など関係者約3百人が参加した。JAあまみの窪田博州統括理事(徳之島)は「昨年は例年にない低価格で農家には大変厳しい年になり、価格安定基金も発動。ブランド産地の維持と価格の安定には、良い品の安定的な出荷も大事」と強調。

徳之島地域赤土新ばれいしょ「春一番」連絡協の窪田伸一会長も「昨年は豊作だったが、2月の出荷量が極端に少なく、3、4月にずれ込んで価格が暴落し、私たち農家には大変厳しい年に。TPP発効など農業を取り巻く情勢は厳しいが、一体となって安心安全な食料自給率の向上に」と呼び掛けた。

県側からは、JA徳之島地区野菜部会と天城地区園芸部会の両バレイショ部会長に「かごしまの農林水産物認証制度(K―GAP)」に基づく認証が伝達披露された。

情勢報告で、JA県経済連側は、競合産地・北海道の作付面積は平年・前年とも下回り、夏場の天候不順で出荷量も平年を下回る見込み。消費動向は、惣菜の中でポテトサラダは上位売り上げで堅調に推移。前期の価格低迷の一因には「輸入物が増えた」とも指摘。

市場側(青果会社)は「長崎産は近く出荷を終了。2~3月は徳之島の『春一番』が全国の主役になる。春一番を消費者にアピールして1円でも高く・多く売る気持ちで取り組む」と決意を示した。

生産販売に向けては適期収穫や病害予防、生産履歴提出による安心安全なバレイショづくりと出荷に努める―などを確認。関係機関・団体の代表で本格出荷のテープカットを行い、「がんばろう」三唱で不退転の意気込みを鼓舞した。