全国闘牛サミット宣言も

6県9自治体と関係団体代表らが一堂に会した第22回全国闘牛サミット協議会総会=4日、天城町防災センター

伝統資源生かし地域活性化へ
11年ぶり天城町で

 【徳之島】第22回「全国闘牛サミットin天城町大会」(同実行委員会主催)は4日、闘牛文化を共有する6県9自治体と各闘牛関連団体などを迎え天城町であった。松原闘牛場では「日本一決定戦」など県対抗戦を交えた記念闘牛大会で約4千人(主催者発表)を沸かせた。全国闘牛サミット協議会総会では、闘牛運動時のマナー問題など協議や講演に続き、「闘牛の持つ魅力の発信、伝統資源を生かした地域の活性化」など3項目をサミット宣言した。

 闘牛の伝統文化を有する全国の自治体と関係団体が一堂に会し、その保存・伝承と相互交流・親睦深め、伝統的資源を生かした個性豊かなまちづくり―が目的。全国闘牛サミット協加盟の9自治体(岩手県久慈市、新潟県長岡市・小千谷市、島根県隠岐の島町、鹿児島県徳之島・天城・伊仙3町、沖縄県うるま市、愛媛県宇和島市)で持ち回り開催。天城町では2008年いらい11年ぶり。

 同町防災センターであった全国闘牛サミット協総会には関係者約80人が出席。会長の森田弘光天城町長は「令和元年の節目の年に、サミット協の絆を、この闘牛だけに限らず他行事を含めより深く交流していければと思う」ともアピール。金子万寿夫衆院議員ら祝辞などに続き前年度事業・決算報告や今年度事業計画(市町村ネットワーク事業など)・予算案を承認した。

 協議事項のうち、一般住民などの批判が絶えない「闘牛の運動時のマナー(ふん放置)問題」(天城町提議)に関し、島根県隠岐の島町は「公道利用の運動は、平日は午前7時30分まで。排泄される糞尿は飼育者が処理し、公道の美化に努める」などの覚書を牛突き(闘牛)保存会と交わしている事例を紹介。放置例の報告はなかった。

 元沖縄こどもの国園長の高田勝氏が「徳之島・沖縄の闘牛と動物愛護」で講演。運営管理体制の面では、観客の事故防止、牛が致命傷を負った時のケア(獣医の配置)、賭博行為禁止の対応(場内私服警察官の巡回)、ルールブックの作成―などの実施。闘牛を文化として継続するためには、「動物愛護管理法改正があり、闘牛を継続するための検討が必要」「闘牛の将来像はどうあるべきか」「地域の品格・行事の品格・闘牛の品格を考える」など必要性も強調した。

 全国闘牛サミット宣言では、①全国の「闘牛」開催市町・関係団体のネットワーク②古来より祭礼行事、あるいは地域の希少な習俗として親しまれた「闘牛」の保存伝承、同文化の次世代への継承③同魅力を広く発信し、伝統資源を生かした地定期活性化(要旨)―を宣言。

 引き続き交流会を開いた。