早期再開求める声

早期再開求める声

満席となったバニラ・エア関西行き最終便の搭乗手続きに並ぶ利用者ら

バニラ関西便運航終了
観光業界「大きな痛手」 関西奄美会、要望も検討

 6日を最後に運航終了となったバニラ・エア社の奄美―関西便。就航から約2年間、観光客や出身者の足として活用され、これまでに延べ19万人近く(3月末現在)が利用した。ピーチ・アビエーションは同社との統合後、同路線を再就航する予定としているが、時期については「冬季ダイヤ中(10月27日以降)」と不透明なため、観光関係者・関西に住む奄美出身者などからは早期の運航再開を望む声が上がっている。

 奄美大島観光協会の越間得晴会長はLCC就航後の傾向について、「低価格で来られるからか、若い人が以前よりは増えた」と評する。関西便の運航終了に関しては「こればかりは致し方のないこと。(統合後の)運航再開に向け、『奄美に行きたい』と思う人を増やすように、民間としてできることを進める必要がある。要望などは今のところ考えてはいないが情報を仕入れ、時期を見ながら対応したい」とした。

 観光客が多く利用するレンタカー事業所からは「滞在時の観光形態はレンタカー利用が主流。観光客の選択肢が減ることは大きな痛手となるので、自治体や団体など関係者を通じ、早期再開を願いたい」との声も。奄美市笠利町のホテルの関係者は「世界自然遺産登録を目指し機運が高まる中、運航終了による失速は痛手。航空運賃が高くなることで、旅行先の選択肢から外される可能性もある。観光業界と行政が連携し、航空会社と歩調を合わせ、空白期間の短縮を求めたい」と話した。

 関西奄美会の盛眞一郎会長も「運賃が高くなることで出身者はふるさとに帰るのがおっくうになるし、知人などを奄美に誘うことも難しくなる」と運航終了を嘆く。「少しでも安い運賃を」との思いから会員にも利用者が多かったという。

 また、「来年の世界自然遺産登録も見据えた上で、バニラに代わるものを早く用意してもらわなければ困る。関西に300近くある各郷友会と連携しつつ、奄美出身の代議士や航空会社と話し合い、奄美群島の住民以外も航空便を安く利用できる制度を求めていきたい」と要望活動への意欲も燃やした。