大和村へマイクロバス寄贈

大和村へマイクロバス寄贈

才納さん(右端)からマイクロバスと福祉車両が大和村に贈られた

「故郷へ『かたち』に残るものを」
奄美出身・才納さん 鹿児島市の新港でセレモニー

 【鹿児島】奄美市出身の才納壽二さん(85)が両親の出身地である大和村にマイクロバスと福祉車両(約1000万円相当)を寄贈した。9日は鹿児島市の新港フェリーターミナルで伊集院幼村長ら村関係者が出席し、贈呈のセレモニーがあった。

 才納さんは1948年から鹿児島市下荒田で長く婦人服販売を営んでいた。5年前に店を整理した際にできた財産で「故郷に何か形になるものを残したい」と考え、まずは路線バスの運休で困っている大和村に、スクールバス用のマイクロバスと高齢者用の福祉車両を寄贈した。自身の出身地である奄美市にも、何か必要としているものを贈る予定。

 自身の出身は奄美市だが「出身地を聞かれると大和村と答えます」と才納さん。戦時中、疎開で2年ほど過ごした大和村は思い出の場所でもある。伊集院村長から感謝状と花束を渡され「多くの人が喜んでいる姿に私が感謝したい」と感激。「大和村のことを大きくPRして欲しい」と託した。

 車両には大和村と才納さんの名前を記した。伊集院村長は「バスの運休で困っていたところだったので大変ありがたい。若者から高齢者まで活用できるものをいただいた。才納さんのことを村民にも知ってもらいたい」と感謝し「今後も行政と民間で協力し、住民の交通手段を確保していきたい」と話していた。