盗掘・盗採防止で夜間合同パト

盗掘・盗採防止で夜間合同パト

宇検村で希少種の盗掘・盗採防止合同パトロールが行われた

連携し抑止力強化へ
宇検村の林道で不審車両や人物など警戒

 環境省奄美群島国立公園管理事務所と奄美大島自然保護協議会は24日夜、宇検村の林道で希少種盗掘・盗採防止夜間合同パトロールを行った。不審車両や人物などに警戒。同事務所と協議会は連携し、盗掘・盗採などの違法行為に対する抑止力の強化を図る考えだ。

 奄美大島では今年4月、希少種のアマミイシカワガエルやオットンガエルなどを昨年7月違法採集し、持ち出しを図った都内の男2人が逮捕された事件が発生。5月には絶滅危惧種ウケユリの自生地で盗掘とみられる痕跡が確認されるなど、希少種の盗掘・盗採の被害が絶えない状況が続いている。

 こうした現状を受け、同事務所と協議会が昨年度に続き連携してのパトロールを決定。昨年度合同パトロールに協力した瀬戸内署も、今年度は次回のパトロールから参加予定。

 この日は宇検村の赤土山展望台で出発式を行いパトロール行程など確認。同村は国立公園の規制のかかっている地域内で、クワガタ類などの捕獲目的で昆虫トラップが無許可で設置される事案が何件か発生しているという。

 参加者は林道内を約3時間かけて巡回し、トラップや不審人物などに注意を払った。規制や合同パトロールを周知するチラシなどを準備していたが、車両との遭遇や違法トラップなどの発見はなかった。

 同事務所の千葉康人世界自然遺産調整専門官は「奄美大島では依然として希少種の盗掘・盗採などがあり、関係機関などと連携してパトロールで現場での抑止力を強化したい」と語った。

 同協議会から参加した宇検村産業振興課の相良博樹さん(30)は、「密猟・盗掘・盗採が減るように、パトロールを通して抑止したい。普及啓発で『自然は守るもの』という意識を高めたい」と話した。