徳之島町新庁舎建設基本計画案で住民説明会

徳之島町新庁舎建設基本計画案で住民説明会

徳之島町新庁舎建設基本計画(案)の住民説明会(北部地区会場)=24日夜、前川公民館

現在地建設案を提示
「慣れ親しみ便利」「津波・ユニバーサル不安」

 【徳之島】徳之島町は同町新庁舎建設基本計画(案)に関する住民説明会を、24日夜は北部地区(花徳・前川生活館)、25日夜は中部地区(井之川公民館)で開いた。新庁舎建設検討委員会が全会一致で同意した現庁舎敷地への津波避難ビルも兼ねた新庁舎建設案、その機能・規模案などをコンサルタント側が説明。住民サイドからは多様な質問・要望があった。

 町によると現庁舎(1973年建設・築46年)は、機能性や耐震性不足、津波浸水想定区域内立地(海抜約4㍍)による津波対策不足、バリアフリー未対応、来庁者プライバシー配慮不足―など課題が。町職員ら「町新庁舎建設プロジェクト委員会」に続き、今年2月には各種団体代表・学識経験者ら新庁舎建設委員会(委員長・幸野善治副町長、委員18人)を設置してコンサルタントを交え基本計画案を協議してきた。

 同計画案・住民説明会の前川生活館会場には住民57人、井之川公民館会場には住民51人が参加した。基本計画・建築設計プロポーザル関連コンサルタントの担当者が、庁舎の現状と課題、約7割が「利便性が良い」「慣れ親しんだ場所」など現在地を希望したという住民アンケート(無作為2千人抽出、回収率48・2%)の調査結果、新庁舎建設の基本方針、新庁舎の位置、機能別の整備方針、新庁舎の規模など案をそれぞれ説明。

 新庁舎の規模案では、現庁舎の延べ床面積から若干増える約3000平方㍍。「緊急津波避難ビル」設定を踏まえ1階部分をピロティー形式化(2階以上を柱だけで支える)した地上4~5階建て(エレベーター1基と階段)を予定。施工面積は約3700平方㍍による総事業費見込みは約16億円。財源は庁舎整備基金と、津波浸水想定区域移転事業による「緊急防災・減災事業債」を活用する方針を示した。

 前川生活館会場の質疑では、住民側から「津波浸水区域にあり移転が必要。現地ありきで進んでいる。防災・減災債の条件はクリアできるのか」。「買い物ついでに寄るなど親しまれた場所(現在地)が良いと思う。しかし、亀津だけに一極集中せずに、縦に長い徳之島町の真ん中ぐらいにも行政機関(施設)を造ったらどうか」など指摘も。

 減災・防災やバリアフリー面では、「津波・地震を考えると、なぜ今の場所かと疑問。ピロティー形式と聞いてユニバーサルデザインの面からも逆に心配に。2階が受け付けになってエレベーター(1基)が設置されるとのことだが、ベビーカーや車いす利用者は一般の人の頭で考えるより大変。再検討を」。

 「緊急避難ビル(新庁舎)に津波到達の8分以内に昼間2000人、夜間1500人(想定)が押し寄せた場合、エレベーター・階段での屋上までの対応は?」など意見も。

 当局側は「1階は駐車場のほか、高齢者や障がい者が集まりやすい場所。集会・特産品展示場なども計画」、「自分自身は自分で守る心構えがないと〝絵に描いた餅〟に。防災訓練・普及啓発もしっかりしたい」とも回答していた。

 26日午後7時からは南部地区(町生涯学習センター)でも開く。