国際交流事業を復活

国際交流事業を復活

米国での青少年国際交流体験の感想を報告した松田さん(左から2人目)と嘉さん=5日、徳之島空港で

中学生2人、気づきと感動報告
徳之島町

 【徳之島】将来を担う人材育成を目的に徳之島町が復活させた青少年国際交流事業が、米国オレゴン州を中心に約2週間の日程であった。5日、徳之島空港に帰り、高岡秀規町長らの出迎えを受けた井之川中3年の松田千佳さん(14)、東天城中3年の嘉(よしみ)はなさん(14)の2人は、初の国際交流・異文化体験の感動とともに、「幸せな国日本」への気づきも報告した。

 徳之島町の青少年対象の国際交流派遣事業は1997年以来、22年ぶりの復活に。公募で選ばれた2人は、引率の教師と3人で先月20日に島を出発。同町花徳出身でオレゴン大学特任教授の牧野三佐男氏の配慮もあり、同大を拠点に同州のホストファミリー宅にホームステイ。英語のほか生活文化の違いも学び、その合間には雄大な大自然なども満喫した。

 5日、徳之島空港であった「到着式」で、松田さんは「今まで習ってきた英語が通じなかったのが辛かったが、だんだんと表現をすることが楽しくなった。アクティビティー(遊び)では美しい自然や野生動物にもふれた。ホストファミリーもとても楽しく、もっと居たいと思った。多くの人に伝えたい」。嘉さんは、サンフランシスコ研修で目に飛び込んだ光と影の格差社会の現実も例に、「あらためて日本は幸せな国だと感じることもできた」とも感想を述べた。

 高岡町長は「言葉のほかに、それぞれの国の文化の違いを理解することが大事。大人になった多国籍の人たちと接する機会も多いと思う。お互いを認め合って初めて、平和が続くことも知って欲しい」など2人をとねぎらった。

 同町では今月19日からは、「町インターンシップ教育事業」として中高生10人を首都圏の職場体験などに派遣する。都心の有名企業や放送局、進学塾(授業)、千葉県内の検察庁見学などを予定(24日まで5泊6日)している。