カメラマン松橋さん カエルの写真絵本出版

カメラマン松橋さん カエルの写真絵本出版

奄美大島のカエルの写真絵本を出版した松橋さん(提供写真)

「自然や生きものへの興味になれば」

奄美大島の各地でカエルなどの生きもの撮影に通っている生きものカメラマンの松橋利光さんがこのほど、自身が撮りためたカエルの写真を写真絵本『奄美の生きもの調査 奄美の森でカエルがないた』として奄美海洋生物研究会の木元侑菜さんと出版した。松橋さんは「奄美大島は生きものが多く、人の暮らしとの距離が近い。この本が自然や生きものへの興味の入り口になってくれたら」と期待する。

松橋さんは神奈川県出身で、水族館勤務ののちフリーカメラマンに転身。両生類やは虫類、水辺の生物、昆虫などを中心に撮影している。

松橋さんは、10数年前に図鑑の撮影で奄美大島に来た時は、あまりカエルに出合えなかったという。久しぶりに訪れた奄美大島は、以前よりカエルが増えていて撮影だけでなく生態を追うのに適した場所と感じて通い詰めることに。「なぜカエルを含む森の生きものが、これだけ増えたのかなどの話を聞き、カエルとそのカエルがすむ自然のすべてを絵本にまとめたい」と考え、写真絵本を構想した。

出来上がった写真絵本について松橋さんは、「図鑑とも違い絵本という形で奄美固有の生きものを紹介することで子どもでも手に取りやすく、自然の調査や保護、生きものカメラマンといった仕事があることを知ってもらえる。幅広い視点で生きものや、環境をとらえてもらえるような本を目指した」と自負している。木元さんが解説を担当し、マングースバスターズなどのマングース防除事業で在来種が回復してきていることなども写真絵本に盛り込む。

同書はアリス館より、全40ページ、定価1400円(税抜き)で全国主要書店で販売されている。

なお奄美市住用町のマングローブパークで、松橋さんの写真展が今月末まで開催中。