伊仙町庁舎建設

築56年を経て老朽化し、耐震性の安心安全面も問われたままの伊仙町役場庁舎(資料写真)

現在地エリアも視野
21年度着工、22年度中完成へ
議会一般質問

 【徳之島】伊仙町議会は11日一般質問があり、上木千恵造、西彦二、清平二、岡林剛也の4氏が登壇。町役場庁舎の建て替え計画に関し、大久保明町長ら当局側は、建設候補地については旧徳之島農業高校敷地(町有地)のほか、民有地買い増しによる「現在地エリア」案も検討。近く建設検討委員会を設置して諮問。2020年度に実施設計発注と用地購入費の計上、21年度着工、22年度中の完成を目指す方針を示した。

 当局によると、現庁舎は1963(昭和38)年に建設されて設備・機能が劣化し、耐震性など安心安全面から防災拠点の役割が担えない。庁舎内も狭あい化、車いす利用などユニバーサルデザイン対応もできない。そのため建設基本計画は、①開放的で住民に親しまれる②住民の安心安全を確保③高度情報化社会への対応④環境に配慮した庁舎―などを基本に策定した。

 建設場所については元徳之島農高跡地(西伊仙東)=県側譲渡地=の活用が有力視されていたが、大久保町長は「基本計画に沿って今後検討。庁舎の位置を移動する場合は町議会の3分の2以上賛同が必要。農高跡地中心の考えもあるが、役場庁舎(現在地)を中心に土地が確保できるならここで十分と思う」。

 その上で、自ら5回行ったという周辺地権者との交渉について、「当初は厳しい状況だったが徐々に理解が。農高跡地に比べてそん色のないスペース」と、現在地エリア中心の建て替え意向を示した。

 タイムスケジュールでは、▽近く建設検討委員会(仮称)を立ち上げて諮問し、20年1月中旬の答申を得る▽20年度当初予算案に実施設計費や用地購入費計上▽21、22年度に建設工事▽22年度中に完成・移転を目指す。

 財源は、国の市町村役場機能緊急保全事業債(約75%地方交付税還付措置)の導入を県と協議中とした。

 ほか質問の町内「ごみの分別収集」状況に当局側は、一部では「罪悪感がないまま意識が劣化」。クリーンセンターの故障や基準超のダイオキシン類排出にも影響していると指摘。ごみ減量化・分別徹底への広報啓発の徹底と併せ、近く全職員でごみ集積所の監視・指導活動も計画している。深刻化しているイノシシによるサトウキビなど農作物食害対策では今後「大型囲いわな」や電気柵の効果実証も検討。町漁業集落(町が事務局担当)を巡る離島漁業再生支援交付金事業の「不適切予算執行」問題では、自主返納金のほか担当職員の顛末処置を求める指摘もあった。