台湾のパラ卓球選手ら龍郷町訪問

龍郷町役場を表敬訪問して大歓迎を受けた台湾の卓球選手ら。紬の陣羽織をはおって関係者が記念撮影

町民が大歓迎 交流、障がい者施設視察へ
「共生ホストタウン」登録の一環

 龍郷町は昨年12月、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機に街づくりや心のバリアフリーを目指す「共生社会ホストタウン」に県内で初めて登録され、交流国は台湾に決定した。その一環として17日、チャイニーズタイペイ(中華台北)パラリンピック卓球アスリート2人など一行6人が龍郷町を訪問した。初日は町役場を表敬訪問し、赤徳小中学校合唱部と交流した。20日まで滞在し、障がい者施設を視察、「交流卓球教室」に参加し、奄美大島の観光地などを巡る。

 一行は、卓球アスリートの盧碧春=ルー・ピツゥン=さん(リオデジャネイロ大会代表選手、手動車椅子)、蕭淑卿=ショウ・スーチン=さん(手動車椅子)、コーチの孫懿=スンイ=さん、チャイニーズタイペイパラリンピック協会職員3人。

 一行が龍郷町役場に到着すると、役場職員らが大きな拍手で出迎え、町身体障がい者協会の榮康博会長らが花束を贈呈した。町長室では、公務出張中の竹田泰典町長に代わり、則敏光副町長が歓迎あいさつし、「名誉町民の西郷菊次郎氏の縁で長らく交流が続く台湾の人々と、持続可能な交流を続けていきたい」と述べた。続いて選手らが大島紬の陣羽織を着て記念撮影した。

 終了後、一行は赤徳小中学校を訪れ、合唱部メンバーとの交流会に臨んだ。

 18日に一行は、町内の公共施設や福祉施設のバリアフリー化の取り組み視察として、障がい者支援施設「星窪きらり」、同「ワークセンター奄美」を訪問した後、りゅうゆう館アリーナで児童生徒や町民らが参加する「交流卓球教室」に臨む。夜は芦徳公民館でウェルカムパーティーが開かれる。

 19日は、奄美大島観光を楽しみ、大島紬の着付け体験などを予定している。20日に帰路に就く。

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 昨年6月に関連した動きがあった。内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局は、20年同大会開催効果を全国各地に波及させるため、参加国・地域の「ホストタウン」登録申請を推進してきた。6月28日付の第14次登録で、龍郷町が台湾のホストタウンに登録された。

 龍郷町が提出した登録申請書には、西郷菊次郎氏のことが記されている。「台湾宜蘭市とは、本町生まれで宜蘭庁長等を務めた菊次郎氏の縁を通じて各種交流が長年行われている」「パラ卓球選手を本町に招へいし、子どもたちとの交流を行い、国際理解教育を進める」などの内容を記している。