ビーチクリーン活動

体験セミナーでは砂浜のマイクロプラスチックを確かめた(喜界島サンゴ礁科学研究所提供)

砂浜でプラごみ観察も
喜界島サンゴ研

 喜界島北部に位置する、喜界町小野津の海岸(通称ハワイビーチ)でこのほど、マイクロプラスチックの観察と、漂着ごみを回収する「クリーンアップイベント」が開かれた。子どもから大人まで約40人が参加。清掃活動を通して環境保全の大切さを学んだ。

 喜界島サンゴ礁科学研究所の主催。イベントは環境省グリーンワーカー事業の一環で実施された。

 石油を原材料とするプラスチックが海に流れ込み、5㍉以下のサイズになったものが「マイクロプラスチック」。自然分解されないことから、世界レベルでの海洋汚染が懸念されている。

 イベントでは環境セミナーがあり、実際に海岸の砂を採取して、プラスチック抽出を体験。水の入った容器に浮かぶ、小さなプラ片を子どもたちは興味津々に見入った。

 また海岸一帯の清掃活動では、漂着した浮き玉、漁具や漁網のほか、ペットボトルや容器トレーを回収。午前中の作業で袋入りごみは230㌔、軽トラック2台分に上った。

 参加者からは「ごみが、岩の内側などに入り込んでいる」「定期的に市民清掃を行っているが、ごみが広範囲に漂着している」の声が出ていた。

 同研究所の駒越太郎さんは「生活圏からプラスチックごみが出ていることを住民のみなさんに知ってほしい」と述べ、今後も啓発活動に取り組む方針。回収した漂着ごみは原産国などを調査し、海流の推定データに活用するという。

 同省奄美野生生物保護センターの千葉康人・世界自然遺産調整専門官は、国立公園内の環境保全の意義を訴え。「引き続き地域と連携した環境保全に取り組みたい」と語った。