不法投棄ごみ回収

クレーン付きトラックを使って回収された大量の不法投棄ごみ

奄美市の市道沿い 家電や産廃など約1・1㌧
監視カメラ設置、取締強化も

 奄美市と名瀬保健所、建設会社や産廃処理業者などでつくる県産業資源循環環境協会奄美支部は23日、同市名瀬の山間部の市道周辺など5カ所で不法投棄された粗大ごみの回収作業を行った。不法投棄場所では、道路脇の高さ10~30㍍ほどのがけ下に、無造作に投げ捨てられた空き缶やペットボトルなどごみが散乱。冷蔵庫やテレビ、洗濯機などの家電や産業廃棄物とみられる廃材などが重なるよう捨てられた場所もあった。 

 作業は、市職員や不法投棄監視員ら11人で行った。昨年11月に県や市が合同で行ったパトロールで不法投棄が確認された名瀬クリーンセンター近くの市道山田線沿いなどを重点に実施。クレーン付きトラックなどを使って約1・1㌧のごみを回収した。 

 当初、1日かけて8カ所程度で回収作業を行う予定だったが、予想を上回る粗大ごみが見つかり5カ所での作業にとどまった。

 夜間パトロールなども行っている市環境対策課・不法投棄監視員の青木孝正さん(63)は「不法投棄されている場所はほかにもたくさんある。捨てるのは簡単だが、回収するのはとても大変で、すべての不法投棄ごみを回収するのは困難」などと指摘した。

 市は、道路沿いなどに不法投棄防止を呼び掛ける立て札や、ごみが捨てられないよう柵を設置するなど対策を実施しているが、不法投棄は後を絶たない。

 一方、市が監視カメラを設置し取り締まりを強化した場所では、不法投棄がなくなった場所もある。同市は、抑止効果などが見込まれることから、今後新たに複数箇所での監視カメラ導入も検討しており、近く設置することにしている。

 同課の平田博行課長は「啓発活動だけでは限界があり、今後はさらに監視カメラを増やすなど取り締まりを強化したい。不法投棄は犯罪で、処罰の対象となる。回収作業には税金が使われていることも忘れないでほしい」と話した。