ワニグチモダマ群生地保護

宇検村が整備したワニグチモダマ用のつる棚(西康範さん撮影)

宇検村の自生地で開花しているワニグチモダマ(西康範さん撮影)

景観に配慮した つる棚4基設置
宇検村

 宇検村はこのほど、同村焼内湾の県道沿いの希少植物「ワニグチモダマ」の群生地で景観に配慮したつる棚を設置した。同種を保護することで村内を訪れる観光客などに配慮する考え。現地では同種が開花しており、まだ蕾=つぼみ=の状態のものも見られ、しばらくは開花が楽しめるという。

 ワニグチモダマは環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種にリストアップ。奄美大島内では同村の他に奄美市名瀬の朝仁海岸で群生するマメ科のつる性木本。奄美大島以南に分布し、朝仁の自生地が北限とされている。

 同村産業振興課によると、数少ない自生地を保護してもらいたいと自然保護団体などの要望を受け、村の単独予算で自生地に4基のつる棚を整備。つる棚は1基が2・5㍍×2・4㍍の広さで、高さ2・5㍍ありコンクリートの基礎の上に設置。周りと調和した色でサビに強い塗料が鉄骨に塗られている。

 また現地が県道沿いなので、県から道路占用許可を受けているという。

 現地を訪れた奄美市名瀬の西康範さんは、「素晴らしい希少植物群生地の保護処置」と評価。「以前は雑草と一緒に生えていて、台風の強風で飛ばされることもあった。つる棚には生えている所から竹が沿わせてあり、つるが伸びて成長しやすいのでないか。今年は多くの花が咲いている」と話した。