水防協議会

早期避難を促す「越流予測通知」の前倒しを説明(写真は大和村の大和ダム)

事前防災で意見交換
越流予測周知の前倒しなど説明

 県大島支庁建設課が事務局を務める「奄美大島地域の県管理河川などにおける水防災意識社会再構築協議会」は13日、奄美市内の宴集会施設で2020年会合を開いた。県や自治体代表が出席。台風接近時に起こりやすい自然水害について、ハードやソフト両面で対策を図ろうと意見を交わした。

 奄美大島と喜界島の自治体首長、県の担当部署、名瀬測候所など約30人が出席。同支庁が所管する河川域の対策状況が報告された。

 大和川水系の大和ダム(大和村思勝)について、越流予測通知を現行の1時間前より前倒しして3時間前から周知する方針(21年度実施予定)を説明。住民の早期避難を促すため情報提供を早める。河川氾濫=はんらん=を想定した浸水想定図を基にハザードマップの作成も呼び掛けていくという。

 現在進めている「中小河川緊急治水対策プロジェクト(洪水時の水位監視)」で、奄美大島島内は18河川(奄美市10など)が新規設置。20年度出水期までの運用開始を予定。

 意見交換では自治体首長から地域防災の体制づくりに意見が出、河川の氾濫防止に向けた寄洲=よりす=除去や河床浚渫=しゅんせつ=事業を求める要望も相次いだ。

 それに対し県側は10河川を対象に19年度補正事業で実施する考えを示したほか、国の「国土強靭化地域計画」(18~20年度)終了後も防災対策を推進していく必要性を強調。各河川の課題を考慮した地域ごとの計画立案を自治体側に促した。

 上大田孝成・県大島支庁建設部長は「治水、利水、環境の視点をバランスよく盛り込みながら事業を進めていくことが大切」と述べ、将来予測を踏まえた地域防災に関係機関が連携して取り組むことを訴えた。