60種の海浜植物確認

通称・三角浜で開かれた自然観察会参加者。海浜植物調査も行われた(提供写真)

 

 

ガジュマルなど追加
三角浜自然観察会・調査
自然を考える会

 

 

 奄美の自然を考える会(泉辰郎会長)主催の自然観察会が22日、奄美市名瀬の通称・三角浜で開かれた。同会会員と奄美ロータリークラブ会員を合わせて20人が参加し、海浜植物調査で60種を確認した。最後に海岸のごみを拾い集めきれいにした。

 同会によると、2007年(56種確認)に観察した海浜植物のパンフレットを参考にしながら約13年で海浜植物がどのように変化しているかを調査。講師は同会顧問の田畑満大さんが務め、海浜植物について解説した。

 今回調査で追加確認された海浜植物は、ガジュマル、ゲットウ、トゲナシアダン、ハマアズキなど。同会事務局は「07年の観察会で浜辺で幼木が見つかり、種名確認のため会員宅で育てていた植物は、ブラジルデイゴとみられる。今回のリストに追加した。挿し木して定着できそうな時期に三角浜に植栽したい」としている。

 同会によると、講師の田畑氏は「植物は波や風で運ばれたり、人の服にくっついて入ってくる。みんなで浜をきれいに守りながら学びの場などに活用してほしい」と話した。

 また、奄美ロータリークラブの元会長・名島一義さんは「奄美の浜の原風景を作りたいとアダンを植え続け、写真を撮って子どもたちに活用させるためのパンフレットも作った。我々の当初の目的は達成できたと思う」と話した。

 通称・三角浜は、小浜町埋め立て地と佐大熊町埋め立て地の間にできた砂浜で、大島地区消防組合消防本部の近くにある。同会によると、会員だった作田裕恒氏(故人)が「三角浜」と命名した。

 旧名瀬市の埋め立て事業の歴史資料によると、小浜地先の埋め立てが完工したのが1969(昭和44)年。作田氏が記した記録には「台風や冬の季節風の波浪ごとに砂がたまり、2年目には浜らしくなってきた」「植物が最初に出たのは、昭和58年のグンバイヒルガオ」と書かれている。