屋宮秀美の旅の記憶 第5回・2013年スペイン~セビージャ編~

セビージャ到着

 マドリッドから空路で1時間、ついにセビージャに到着した。

 タクシーで市内に向かう。スペインはタクシー代が安いので、だれもが気軽にタクシーを使う。タクシーにクーラーはないのか、窓を開け放って、高速道路を走らせている。すると、花の香りが飛び込んできた。窓の外に目をやれば、降り注ぐ陽光、椰子の木に白い花が下がり、路肩には黄色やピンクの花が咲き乱れている。南国に来たのだと実感する。

 ホテルにチェックインし、街中に出る。ちょうどセビージャの春祭りの季節、街には、祭の衣裳を身にまとった人達が闊歩する。日本で言うなら、盆踊りのための浴衣姿といったところか。馬車に乗った着飾った人達の姿も行き過ぎる。軽く腹ごしらえをして、セビージャ市内を歩いた。

 ※今のセビージャはすでに38度を超える暑さになったという。スペインではマスクをする習慣がないので、マスク着用が義務化された。それでも、マスクをしての外出など暑くてたまらない。耳にイヤリングのようにかけている若者の姿あり、フェイスシールドを使っている人もいるという。

ホテルにチェックイン。パティオ(中庭)があり、そこで食事を取ることが出来た。南スペイン、アンダルシア地方の家々には、噴水があり、植物に囲まれた中庭が夏の猛暑を和らげる


荷物をほどく間もなく、昼ご飯を食べに宿の近くの広場へ。外はちょうどいい気候だった。カフェから広場を眺めていると、前日から始まった春祭りに急ぐ人達の姿が見受けられた。馬車も祭りの会場からだろうか

ダリハニ夫妻とさっちゃんはセビージャーナス用の衣裳を買うというので、お店を回ることに。お祭り用の衣裳があちらこちらのショーウインドウを飾っていた。何も知らずにフラメンコ習いたての私たちも一緒に楽しんでしまおうと言うことになる。私も衣裳を買ってしまった

ベランダには椰子の葉の飾りが飾られている。イースターの名残だろうか

「受難のイエスの広場」という場所にあった建物。ペドロ・ロルダンと書かれている。ここセビージャの有名なバロック彫刻家の名前だった。この建物は、外壁が青いセラミックのタイル張りになっていた。1925年建築。今はアパートとして使われているようだ

フラメンコを見終わって、夕食をと、夜の街にでた。馬で乗りつけて、ビールを飲んでいる姿を目にする

ストーンマネーでは?壁に埋め込まれていた

路地のぼんぼりは、祭り期間中ならではの景色。両脇にレストランが並ぶ。夜の10時から食事を取るのが普通になってきた

夜に浮かび上がるセビリア大聖堂

ロス・ガジョスという有名なタブラオに行き、ここでもフラメンコを満喫した。左手の踊り手は、今年2月に来日していた。ここで会っていたのか

プロフィール

 屋宮秀美

 瀬戸内町勝浦生まれ。高校まで奄美で育ち、東京に上京。

 東京工芸短期大学で写真の基礎を学び、写真スタジオなどを経て、フリーカメラマンになる。

 2012年に人生の思い出にと始めた、フラメンコにはまる。踊りから入ったが、カンテと呼ばれる歌や手拍子のパルマ、ついにはギターまで習い始めている。