キッズ・マネー・スクール

商品づくりに真剣に取り組む子どもたち

「お客さん」を相手に、値段交渉も巧みにこなす

4歳からの「お金の学校」でお金以上の「感謝」学ぶ

 4~10歳の児童を対象に金融リテラシー(お金と上手に付き合う知識)を教える講座が2日、㈱セントラル楽器5階ホールで行われた。講師を務めたのは、保険クリニック奄美大島店㈱フロンティアライフ営業担当の重村俊介さん。子どもたちは保険のプロの指導の下「お店屋さんごっこ」を通して遊び感覚で金融リテラシーを学んだ。最後は日頃お金を稼ぐ保護者への感謝の気持ちを培い、大きな声で感謝を伝えていた。

 「キッズ・マネー・スクール」は子どもたちがグローバル社会の競争に適応できるよう、金融リテラシーを身に付けさせるのが狙い。指導方法は徹底して子どもたち自身に考えさせ、クイズや遊びを通してお金の知識を学べるのが特徴。

 会場となったセントラル楽器には25人の親子連れが集まった。重村さんは貨幣の歴史をお金の模型などを使って分かりやすく説明。また、各国の通貨やその価値についてクイズ形式で解説した。

 その後、子どもたちは「お店屋さんごっこ」のため、商品づくりに取り掛かった。各自「パン屋さん」「おうち屋さん」などの役割を決め、紙製のイラストに色を塗るなどして準備。保護者は手を貸さず、手順や時間管理は子どもたち自身にゆだねられた。

 商品が完成すると、店舗に見立てた椅子の上に商品を「陳列」。子どもたちは自作の商品を買ってもらえるよう、ディスプレイに工夫を凝らして丁寧に並べていた。

 陳列が済むと、子どもたちには模擬のつり銭、客の役を務める保護者らには模擬のお金が渡され、「お店」が開店した。子どもたちは客として訪れた保護者らを「いらっしゃいませ」と元気に出迎え、思い思いの接客で商品を売り込んだ。

 子どもたちの熱心な接客や巧みな値段交渉により無事商品は完売。子どもたちは「売上金」を計算し、いくらお金が増えたかを発表した。

 「お菓子屋さん」を営み、1600円を売り上げた川畑穂空(ほたか)くん(9)は「面白かった。商品を売るのに苦労した。売れるよう丁寧に色を塗り、きれいに並べるなど工夫した」と振り返った。

 講座の最後には重村さんが「お金は『ありがとう』と交換する大切なアイテム。そのお金を毎日働いて稼ぐお父さん、お母さんはすごいね」と語り掛け、子どもたちは立ち上がって保護者らに感謝を述べた。そして子どもたち全員に「給料袋」が配られた。

 重村さんは「子どもたちに『お金はどこから来るの』と聞くと、『ATMから無限に出てくる』と思っている子もいる昨今。お金は働くことで、感謝と引き換えに手にするものだと知ってほしい」と話した。