大島、8季ぶり4強へ

4回表大島無死一三塁、9番・竪山が右前適時打を放ち2点目=平和リース
 
加治木に競り勝つ
春高校野球第11日

 【鹿児島】第148回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第11日は31日、鹿児島市の平和リース球場で準々決勝2試合があった。

 奄美勢は大島が加治木と対戦。後半加治木の粘りに苦しみながらも4―2で競り勝ち、8季ぶりとなる4強入りを勝ち取った。

 第12日は1日、同球場で準々決勝2試合があり、ベスト4が出そろう。

 【評】大島は初回、一死一三塁で併殺崩れの間に先制した。四回は下位打線が四球と連打で好機を作り、9番・竪山の右前適時打、相手のエラーで計3点を追加した。五回以降は加治木の2番手左腕・高木を打ちあぐね追加点ならず。六回裏に2点を返され、以降は毎回走者を背負って相手ペースで試合は進んだが、エース大野を中心に粘り強く2点差を守り切った。

同じミスを続けない

【準々決勝・加治木―大島】8回裏加治木一死三塁、3番・多賀の二ゴロで三走・石元が本塁を狙うも返球タッチアウト。捕手・安田=平和リース

追い上げに苦しみながらも勝ち取る 大島

 大島が終盤、加治木の追い上げに苦しみながらも4年ぶりの4強入りを勝ち取った。最後に勝機を引き寄せたのは、日頃の練習から意識している「同じミスを続けない」(塗木哲哉監督)姿勢だった。

 二塁手・竪山拓真は二回にエラー、六―八回は二遊間の深いゴロを処理しきれず内野安打にしてしまった。「2年生エースの(大野)稼頭央を助けなければいけないのに逆に足を引っ張ってしまった」申し訳なさはあったが「受け身にならず、攻める気持ち」の守備を心掛けた。八回は一死三塁の場面で二ゴロ、バックホームでアウトを取った。九回の先頭打者も同じような二遊間のゴロだったが、「前に出る」意識でアウトを取った。

 先頭打者は打ち取ったが、連打を浴びピンチは続く。7番・徳永には2ストライク、先に追い込みながら、ファールで粘られ、フルカウントとなり中前に運ばれた。「四球を怖がってミットを真ん中に構えてしまった」と捕手・安田秀太郎主将。二死となって9番・東明にも同じようにストライクが先行しながらフルカウントになったが「四球よりヒットを打たれた方が良い」と覚悟を決め外角の厳しいコースにミットを構えた。同じ直球だったが、コースが厳しかった分、二ゴロとなり、試合を締めくくった。

 ここまで4戦、楽に勝てた試合は1つもなく、2回戦からは3試合連続2点差の接戦を辛うじてものにした。4年ぶりの4強入りだが「毎試合が勉強で特別な実感はない」と塗木監督。過去どの代も成し遂げていない決勝進出を勝ち取るためには「ベスト4の満足感を払拭して、もう1つの白星を本気でとりに行く気持ちが持てるか」をカギに挙げた。安田主将は「次の相手を倒すことだけを考えて、今まで通り一戦必勝でいく」と静かに闘志を燃やしていた。(政純一郎)