奄美市総合戦略会議でまとめた提言書を朝山市長へ提出する勝座長(写真左)
地方創生の推進のための総合戦略や人口ビジョンの策定に向けた「奄美市総合戦略会議」(座長・勝眞一郎サイバー大学教授)が25日、同市名瀬のAiAIひろばであった。事務局から総合戦略の最終案が示され、委員からは他自治体が策定する戦略との差別化を図る上で「攻め」の姿勢などについて意見交換。勝座長から朝山毅市長へ総合戦略策定に関する提言があり、「しあわせの島」実現に向けた一歩を踏み出すことを要請した。
同総合戦略は国の地方創生関連法に基づき、全国の各自治体が今年度中に策定するもの。産金学官など様々な意見を策定作業に反映することを目的に過去3回開催しており、今回は住民アンケートや議会との意見交換、同会議の提言など様々な意見を集約して策定した最終案を諮った。
最終案では「しあわせな島」の実現に向け、▽観光▽仕事づくり▽少子化対策―を「攻める」ポイントとして設定。「観光立島『奄美大島』の観光ブランド化」や市内全域の光ブロードバンド化を推進した「フリーランスが最も働きやすい島化計画」による働き方の創出、子どもを産み育てやすい環境整備などによる「合計特殊出生率2・1」を推進するとした。
委員からは「攻める度合いはどうするのか」「仕事づくりには条件整備の充実が必要」などの意見があり、事務局はこれらの意見を反映して来年1月中に同総合戦略を策定、公表するとした。
会議後、勝座長が朝山市長へ戦略策定に関する提言書を提出。①「しあわせの島」を目指す②「攻め」の総合戦略③推進する施策の重点化④市民・集落等・企業・金融機関・大学・行政それぞれが主体性をもって取り組む仕組み⑤奄美大島5市町村が連携して「奄美大島人口ビジョン」の実現に取り組むこと―を考慮することを提言した。
朝山市長は「行政を推進していく上で指針とするため、同会議の趣旨を踏まえ、しあわせの島となるべく努力していく」と強調。また生活圏域・経済圏域を一とする奄美大島5市町村で「奄美大島総合戦略」を策定することから、「5市町村の連携を育みながら、自然や文化を生かし創意工夫で島づくりに努めていく」と述べた。