群生地で盗採も

群生地の一部では掘り返したような跡が見つかった

160218アマミテンナンショウ (2)
咲き始めたアマミテンナンショウ

アマミテンナンショウ開花
龍郷町の山中

 絶滅危惧Ⅱ類(VU)(環)に分類されているアマミテンナンショウ。奄美の山中では花が咲き始めたころだが、龍郷町の山中で18日、開花したとみられる株がなくなっているのが見つかった。同地は以前からたびたび、同種の盗採が見つかっている場所といい、発見者は「きれいに咲いているからかもしれないが、残念」と話している。

 『奄美の絶滅危惧植物』(山下弘さん著)によると、アマミテンナンショウはサトイモ科で、奄美大島と徳之島に分布する固有種。常緑広葉樹林内に生える多年草で、高さは20~50㌢。花期は3~4月ごろ。花は紫を帯びた緑色で、仏炎苞の筒部分は基部では細く、上に向かってやや太くなる。長さは4~5・5㌢。森林伐採や園芸採取が原因で絶滅危惧種となった。

 龍郷町の山中では地元住民が開花している株の側で、不自然に掘り起こされた跡を発見。山下さんによると、同地では以前にも多くの株が採取されたことから、数が激減していたという。山下さんは「知っている人は知っているという場所で、よくなくなるポイント。掘った後があるなら、盗採と思って間違いないのでは」と語った。